病院へ行くほどでもないけれど、「足元が冷える」、「肩や首がこってつらい」、「おなかが張っている」など感じることはありませんか? もしかすると、その原因は「腸の冷え」かもしれません。
そこで、腸内環境のエキスパートで消化器専門ドクターの大竹真一郎先生に、腸が冷える原因と今すぐできる解消法を教わりました。
「冷えはもちろん、体のコリやストレス、太りやすいなど、心身の不調を抱えてクリニックにいらっしゃる女性の患者さんは、腸が冷えている方がほとんど。服を着替えるときにでも、ご自身の下腹部辺りに触れてみてください。ヒヤッとした感触なら、腸が冷えている状態です。腸が冷えると、血行が悪くなるばかりか、老廃物がスムーズに排出できなくなります。そのため首や肩のコリやむくみとなって表れるのです」
では、なぜ腸が冷えてしまうのでしょうか?
「根本の原因は便秘です。便秘になるから腸が動かなくなり冷える。腸が冷えるとさらに動きが悪くなるため、便秘がひどくなる…という悪循環に陥ります。まずは便通をよくして、腸の動きを活発にすることが肝心です」
さらに大竹先生によれば、「毎日お通じがあっても便秘なこともある」と言います。
「便秘というと、『何日も便通がない』とか『便が硬い』というイメージがあります。ところが、毎日きちんと便通があっても便が硬くてコロコロしていたり、逆に下痢気味だったり、排便後もまだ残っているような感覚があると、『隠れ便秘』の可能性も…。排便の回数や量だけで『これが便秘だ』とは言い切れませんが、下記に当てはまる場合は便秘と考えたほうがいいでしょう」
□ 下腹部に触れると冷たい
□ 3日以上、便通がない
□ 排便の後、スッキリしない
□ おなかが張っている
□ 胸焼けがする
□ ウサギの便のように硬くてコロコロしている
□ 排便後、トイレのニオイがキツイ
便秘を解消するには、腸を冷やさず温めることが大切。でも、重ね着をしたりしていてもおなかがひんやりしていることもあります…。
「食事や重ね着でおなかを温めるだけでは、根本的な解決にはなりません。そもそも、腸の冷えの原因である便秘でお悩みの方は、だいたい筋肉量が少ない。筋肉が少ないと体を温める熱量が作れないので、余計に冷えていきます。体を動かすことで腸を刺激するのが何よりも効果がありますよ」
具体的にどうするといいのでしょうか?
「走ったり、腹筋運動でインナーマッスルを鍛えたりするのもいいですが、筋肉が緊張すると腸の動きが止まるので、今すぐ便秘を何とかしたいときには不向きです。速効性があるのは、緊張感なく運動できるウォーキング。1日何時間とか、何キロメートルと決めるのではなく、バス停1つ分を歩くとか、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使うとか、日常の生活の中で歩くようにすれば、きっと続けられるでしょう。ウォーキングを続ければ、腸が刺激されて便通を促せるし、筋肉量も増えるので体が冷えにくくなりますよ」
普段の生活にほんの少し「歩く時間」を作るだけなら、とっても簡単。今すぐチャレンジして、冷え知らずの腸美人を目指しましょう!
消化器専門ドクターとして治療に携わるかたわら、「駆け込みドクター! 運命を変える健康診断」(TBS系)など多くのテレビ番組に出演するほか、『3週間ですっきり腸美人に生まれ変わる30の法則』(主婦の友社)などの書籍も手がける。
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