後ろ姿の美しさを決めるヒップ。でも、ちょっと油断すると余分なお肉がついたり、垂れてしまったりして、キュッと引き締まった上向きのヒップを保つのは至難の業。
でも、ヒップは鍛えれば鍛えるほど結果が出るそうです! タイトスカートやパンツをかっこよく履きこなすために、今回はヒップアップに効果的なヨガのポーズを、ヨガインストラクターの鈴木靖世さんに教えていただきました。
「ヒップが下がる原因は主に2つあります。ひとつは、猫背になるなど姿勢が悪くなることで年齢を問わず骨盤が後ろに傾いてしまうこと。姿勢を整えて骨盤を正しい位置に戻せば、ヒップは上がります」と鈴木さん。
鈴木さんの見本を見れば、一目瞭然! 背中が丸まった猫背の状態だと、骨盤が後傾してヒップが下がっています。
一方、背筋がすっと伸びると骨盤が正しい位置に。ヒップは上向きになり、脚も長く見えます。
「筋トレをしなくてもヒップラインが変わるくらい、骨盤が正しく水平の位置にあることが重要です。骨盤が正しいポジションにあると、ヒップを下から支える筋肉が正しく働いて、ヒップラインが上がります。一方、骨盤が後傾すると筋肉がゆるみ、ヒップがたるんで下がってしまいます」
姿勢を意識するだけで、ヒップラインがずいぶん変わるのですね!
続いて、ヒップが下がるもう一つの原因とは?
「筋肉は、年齢とともに凝り固まりやすくなります。それが原因でヒップが下がってしまう場合があるのです。トレーニングなどで鍛えた筋肉のなかでも、きちんと呼吸をして細く長く伸ばして身につけた筋肉であれば、弾力があるのでヒップアップ効果があります。でも、息を詰めてガチガチに固めて鍛えた筋肉はコリとなり、年齢とともに下に向かって引っ張る力が強くなるため、ヒップラインが下がる原因に。特にヒップ上部の外側に位置する中殿筋(ちゅうでんきん)がコリ固まると、ヒップは下がりやすくなります」
中殿筋の力が弱いと骨盤が歪み後ろに傾き、ヒップが下がってしまうそうです。
骨盤が傾いて、ヒップ回りの筋肉に余分な力が入っていないか、簡単に確認する方法があるそうです!
「骨盤が後傾すると、ヒップ回りの筋肉は緊張して固まりやすくなります。この場合、ヒップにぎゅっと力を入れた状態になり、ヒップの左右にくぼみができます。一方、骨盤が正しいポジションにあるとヒップの筋肉の緊張が抜けるため、くぼみがなくなります」
これを目安にして、骨盤のポジションを確認しつつ、あわせて行いたいヨガのポーズも教えていただきました。
1:背筋を伸ばし、両膝を立てて座り、息を吸います。両膝は手で抱えます。
2:ゆっくりと息をすべて吐き出します。このとき、背骨ひとつひとつを使って、少しずつ背中を丸めていきましょう。
ステップ1と2を5〜10回繰り返します。
「背骨がきれいなS字カーブを描いていると、姿勢も美しく、無理な力がかからないので骨盤もゆがんだり、ゆるんだりしにくくなります。このポーズを行うことで背骨の柔軟性と筋力をアップさせられれば、美しい姿勢をキープできるようになり、骨盤も正しいポジションに整います。その結果、ヒップアップにつながりますよ」
※ NGポイント
ステップ1で座る際、上の図のように背中が丸まったり、反りすぎたりするのはNGです。腹筋と背筋を使い、上半身はまっすぐに保ちましょう。
1:仰向けになり、両膝を立てます。手のひらは床につけ、指先を伸ばしましょう。
2:息を吸いながら骨盤を上げ、呼吸4回分キープします。このとき、背中が反りすぎないように注意しましょう。
3:息を吐きながらゆっくりと骨盤を下ろし、床ぎりぎりで呼吸4回分をキープします。背中だけで支えると腰を痛めるので、お腹の力で支えましょう。
ステップ1~3を5回ほど繰り返してください。
「ヒップアップに効果的な、腿の裏側とヒップの筋肉を鍛えるためのポーズです。2と3のときに、ゆったりと呼吸をすることが大切ですよ」
※NGのポイント
上のように、両膝とつま先が開くのはNGです。以下のように、つま先は正面に向け、両膝を揃えましょう。どうしても両膝が開いてしまう場合は、タオルなどを挟んでおくと、意識しやすいです。
こちらがOKポーズです。
1:仰向けに寝て、両膝を立てます。
2:右足を持ち上げて、くるぶしの外側を左膝の上に乗せます。両足の間から右腕を通し、両手で左膝を抱えます。
3:息を吸いながら、左膝を胸のほうへ引き寄せ、吐きながら力みを抜き、そのままキープします。
4:息を吐きながら手足をほどいて元の姿勢に戻り、反対側も同様に行います。
今回ご紹介したヨガのポーズと、骨盤の正しいポジションを意識すれば、ヒップアップに効果的な筋肉を養えて、後ろ姿美人になれるはず! ストレッチの習慣を身につけて、理想的なヒップを手に入れましょう。
「日本トリセツカラダヨガ協会」会長(トリセツカラダヨガ創設者)、VAJA公認均整術師。幼少の頃からダンスをしていたが、身体は弱く、ボディコントロールがうまくできていなかった。ヨガを始めてその原因が自身の心や生活習慣にあることに気付き、ヨガを実践していく中でその素晴らしさを実感し、インストラクターの道を目指す。日本最大級のホットヨガスタジオ「LAVA」では全米ヨガアライアンスの一部クラスを担当するなど、インストラクターの指導にもあたる。