パソコンの使い過ぎで肩や首がこったり、スマホで目が疲れたり、一年中手足が冷えて眠りが浅かったり、背中や腰が重かったり…。病院に行くほどではない、こうした体の不調に悩まされている方も多いのでは?
そこで、ぜひ試したいのが「温ペットボトルマッサージ」です。その活用法を、「温ペットボトルマッサージ」を提唱している日本経絡セルフケア協会の代表理事・薄井理恵さんに教えてもらいました。
「『温ペットボトルマッサージ』は、身近にあるペットボトルにお湯を入れて、お金をかけずに作ることができるマッサージアイテムです。体温よりも温かいお湯を入れたペットボトルでマッサージすることで、血行促進効果がアップします。また、朝起きた時から寝る前まで、またオフィスなど時間も場所も選ばず、洋服を着たままマッサージができるので、気軽に生活に取り入れられるのも特徴です」
「温ペットボトルマッサージ」は、東洋医学の考え方である「経絡(けいらく)」という生命エネルギーの通り道をなでることを基本にしているそう。一般的なマッサージや指圧、お灸との違いは、どんなところにあるのでしょうか?
「お灸はいろいろな種類があるうえに火を使うなど、初心者にはややハードルが高いですよね。また、一般的なマッサージの場合、なかなか背中などのこっている部分を自分でマッサージするのは難しいでしょう。さらに、自分の手が冷たいと、マッサージ効果は半減してしまいます。その点、ペットボトルなら簡単に手に入るうえに、中に入れたお湯の重みを使ってマッサージができるので、女性でも力を入れやすいメリットがあります」
「また、ペットボトルの側面を使えば、手よりも広い範囲を一気にマッサージしたり、ご自身では難しい背中のケアもやりやすいはず。そして何より、温かい刺激を得られることで、素手でのマッサージよりも血行促進効果やリラックス効果が高まるのです」
温めながら、体の気になる部分を気持ち良くほぐせる「温ペットボトルマッサージ」。下記の点に注意しながら、さっそく始めましょう!
薄井さん曰く、「温ペットボトルマッサージ」に適しているのは、炭酸飲料に使われることの多い、底が凸凹していて、固くしっかりしたタイプのボトル。
「ペコペコとすぐ凹んでしまうものは使わないでください。大きさも500ミリリットルが足などの広範囲がマッサージしやすいですが、ホットドリンク専用の350ミリリットルのものでも構いません。お湯の温度は、手で触って温かさを感じる42~43度が目安です。あらかじめ温度調節できない場合は、水をペットボトルの3分の1程度まで入れてから、お湯を足すとよいでしょう。いずれの場合も、くれぐれもやけどにご注意くださいね」
次回は、体のお悩み別に「温ペットボトル」を使ったマッサージをご紹介します。
幼少時代から鍼灸師の母親のアシスタントとして鍼灸が身近にある環境で育つ。1992年、 松下幸之助氏などの鍼医を務めた故黒田嘉孝氏に師事。1994年、鍼灸師国家資格を取得。2010年、RIE鍼灸院&ナチュラルヒーリングプレイスを開院。2011年、かっさによるセルフケアの普及を目指し、一般社団法人日本経絡セルフケア協会を設立。「女性が心身ともに美しく、健康でいられるように」をモットーに国内外で活躍。著書に『気持ちいい! キレイに効く! 温ペットボトル経絡マッサージ』(KADOKAWA/メディアファクトリー)、『“なでる”だけのお手軽全身マッサージ ナチュラルかっさケア』(阪急コミュニケーションズ)などがある。
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