和の心を楽しもう! 「日本茶」を見直してみませんか?

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ウレハダ編集部

和の心を楽しもう! 「日本茶」を見直してみませんか?

日本人にとって定番の飲み物である日本茶。現在はペットボトルなどでも手軽に購入できるので、自分で茶葉から入れることは少なくなりましたよね。そこで、コーヒー・日本茶専門店「UNI STAND(ユニ スタンド)」の店主で、「茶リスタ」として日本茶に関するイベントやセミナーを手がける小山和裕さんに、日本茶を楽しむための基礎知識を教えてもらいました。

そもそも日本茶って?

「日本茶とは、一般的にツバキ科であるチャノキの葉や茎を利用し、加工して飲料用に売り出しているものを指します。茶葉が国産品種であることも条件の一つで、緑茶や抹茶、紅茶、烏龍茶など、日本産のお茶を総称してそう呼んでいます」

緑茶や紅茶、烏龍茶は同じチャノキの葉から作られますが、製品化するまでの工程を変えることで入れたときの色や味、香りまでまったく異なるものになります。これらは、もともと同じ葉であるにもかかわらず、含まれている栄養素も異なっているそうです。

美容にうれしい成分も!

チャノキの葉はビタミンCをはじめとする美容や健康に良い成分を多く保持しているため、昔は漢方薬として用いられていたんだとか。そのほかには、どのような栄養素を含んでいるのでしょうか?

「緑茶の成分だと、ポリフェノールの一種である『カテキン』が有名ですね。カテキンは強い抗酸化作用や脂肪を燃焼させる力を持っています。また、『お茶でうがいをするといい』と言うように、殺菌作用があるので、インフルエンザなどのウイルスによる病気の予防にも効果的。赤ワインに多く含まれていることで知られるポリフェノールには、美白作用やがんを予防する力があるといわれています」

お茶独特の渋み成分であるカテキンは、人間の体内で作ることができない物質。しかも、お茶はあらゆる食品のなかで、最もカテキンを多く含んでいるのだそう。脂肪燃焼から美白まで、日本茶は美容にうってつけですね♪

おいしいお茶の選び方は?

「茶葉を選ぶときは、スーパーなどの量販店ではなく、できるだけ専門店で買うのをオススメします。お茶は日光に弱いので、店外に置かれている特売品を避けるのもポイント。可能であれば、気になるお茶の葉を試飲・試食させてもらうと、自分好みの味わいが見つけやすいですよ」

まずは自分の好きな淹れ方で楽しもう!

お好みの茶葉が見つかったら、さっそく淹れてみましょう。一般的に、「お茶はぬるめのお湯で入れるといい」なんていわれますが、おいしい淹れ方はあるのでしょうか?

「本来、専門店などで扱っている一定以上の品質の茶葉は、どんな淹れ方でもおいしくなるもの。ぬるめのお湯がいいといわれているのは、手順を守ることで甘味とうまみが出やすいものが多いためです。ご自宅で飲むなら作法は気にせず、3~5グラムほどの茶葉に、熱湯200ミリリットルを入れ、3分待ってから淹れてみてください。おいしいお茶なら、これだけで十分味わいを楽しめます。もちろん、ぬるいお湯で甘味やうまみをじっくり引き出してもOK。まずは熱湯で淹れて、そのお茶の個性を楽しんでみるといいですよ」

小山さんによれば、蒸らし時間でも味が大きく変わるんだとか。いろいろな淹れ方を試して、自分の気に入る味わいを追求してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、量販店などで売られている茶葉は風味が出やすくなるように加工されているので、おいしく飲めるのは1~2煎まで。対して、専門店の茶葉だと淹れ方によって5~6煎は淹れられるそう。茶葉の保存は冷凍庫を避けてフリーザーバッグなどで1カ月を目安に使い切るのが◎。

風味豊かなお茶を飲めば、心も体も健康になれそうですね! みなさんも、おうちで淹れたおいしい日本茶で一息ついてみませんか?

取材協力:茶リスタ 小山和裕さん

吉祥寺駅から歩いて15分、井の頭公園のほど近くにある日本茶とコーヒーのお店「UNI STAND」店主。

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