声はなぜ老化する!? アナウンサー直伝の“声のエイジングケア”とは?

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ウレハダ編集部

声はなぜ老化する!? アナウンサー直伝の“声のエイジングケア”とは?

電話口に出た相手が知らない人でも、声で「この人、若そう」「年配かな」などと感じたことはありませんか? また、人から「声が変わった?」と言われたり、録音した声を聞いて「私ってこんな声が低かったかな」と思ったりするケースもあるかもしれません。

年齢や印象を左右する声。いつまでも若々しく、美しく保つことはできるのでしょうか? フリーアナウンサーで声のアンチエイジング研究家でもある土井里美さんに教えていただきました。

年齢は声に出る! 声が老化する3つの原因

土井さんによると「とくに女性は年齢によって声が変化しやすい」そう!

「声も老化します。その原因は、『声帯の衰え』、『呼吸器官の衰え』、『舌や表情筋、口のまわりの筋肉の衰え』の3つです。声を出す器官である声帯のピークは20〜30歳と言われ、それ以降は衰えて声の老化が始まります。また女性の声はホルモンの変化に左右されるため、閉経後は一気に老化が進みます。更年期の女性の声は、20代と比べるとピアノの鍵盤で5〜6つ音階が低いともいわれているんです」

呼吸器官が衰えると肺活量が低下して声が弱々しくなったり、舌や表情筋、口のまわりの筋肉が衰えると滑舌が悪くなって“老けて聞こえる声”になったりしてしまうのだとか。

若々しい声、老けて聞こえる声、その特徴は?

では、声が衰えると具体的にどのような変化があるのでしょうか?

「もともと声が低い人もいますが、年齢とともに声が低くなる傾向にあります。また、息が混じる、声が揺れる、弱々しくなる、かすれる、語尾が尻すぼみになる、滑舌が悪く発音が不明瞭になるなどの特徴が生じます。言ったことを人に聞き返されることが増えた場合は要注意です」

反対に、若々しい声とは、低くない、声につやがある、語尾まではっきり聞こえる、発音が明瞭といった特徴があるそうです。また、土井さんは「年齢とともに出しにくくなる音もある」と言います。

「か行・さ行・ば行・ぱ行・ま行は年齢とともに発音しにくくなります。か行は、舌の後ろ3分の1である“奥舌”を使うのですが、その動きが鈍くなると音が曖昧になります。息の力が弱くなると出しにくくなるのが、さ行。そして、ば行・ぱ行・ま行は唇の動きが良くないときれいに発音ができません。これらの音が不明瞭になると声は老けて聞こえます」

美声トレーニングで声は若返る!

声の老化を防いで、若々しくて美しい声にするにはどうしたらよいのでしょうか? 土井さんは下記3つの美声トレーニングを推奨しています。

声帯を鍛える

「声帯も筋肉なので、筋トレが必要! 鍛えれば鍛えるほど声もよくなります」

正しい腹式呼吸を行う

「腹式呼吸を行うと、深く息を吸えるようになります。練習を重ねると呼吸筋を鍛えられます。その結果、肺活量が増え、声に力が出てきます」

顔をよく動かす練習をする

「特に顔の下半分をよく動かすと、きれいな音が出せるようになります。後ほど紹介する『あいうべ』体操がおすすめです」

「声帯は喋ることで鍛えられます。よく、『月曜日の朝は声が出ない』という会社勤めの方がいるのですが、それは月〜金曜日まで仕事でよく話しているのに、週末は声を出さなかったり、会話が少なかったりしたせいです。声帯は使わないと、それほどあっという間に老化しますので、たくさん喋って声帯を鍛えましょう。カラオケなどで歌うのもオススメです」

後編では、美声に効く腹式呼吸と、顔を動かす「あいうべ体操」の具体的な方法をご紹介します。

取材協力:フリーアナウンサー・声のアンチエイジング研究家 土井里美さん

元新潟放送アナウンサー。2時間半の午前生ワイド「土井里美のヨコハマろはす」パーソナリティ(ラジオ日本)、「スポーツオンライン」(朝日ニュースター)、他多数出演。2013年4月より、声のエイジングケアの観点からの講座をスタートさせ、都内でレッスンを開催。会社員、主婦、会社経営者、日本語教師、コンサルタント、料理研究家など様々な職種の方が受講している人気講座に。2級FP技能士、日本抗加齢医学会正会員、東京YMCA国際ホテル専門学校 非常勤講師(ビジネスコミュニケーション)。

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