肌の調子がよくてメイクもバッチリ…のはずが、目が真っ赤! これではせっかくのメイクも台なしです。澄んだ白目は瞳の印象を左右する重要なポイント。充血を防ぐ方法を、井上眼科病院 井上賢治院長にお聞きしました。
睡眠不足や目の乾燥などで充血するケースはさまざまですが、どのようなメカニズムで起こるのでしょうか?
「白目の部分にある毛細血管が何らかの原因で拡張すると、血管部分の面積が大きくなり赤く見えます。これが充血と呼ばれるものですが、原因としてはアレルギーなどによる炎症反応の場合や、酸素不足により血流を増やすために起こる場合、または体内の血流がよくなって起こる場合などが挙げられます」
また、「充血はアレルギーによる炎症反応以外のほとんどは一過性のもので、急に視力が落ちたり病気を招いたりすることはない」と井上先生は言います。
「酸素不足による充血は、主に睡眠不足やコンタクトレンズを長時間装着したときなどに起こり、体内の血流がよくなって起こる充血は、飲酒をしたときが多いです。いずれも時間が経てば消えてしまいます。ただし、炎症反応だけはアレルギーによるものですから、病院に行って点眼薬などを処方してもらう必要があります」
炎症反応以外は病気の心配はなさそうですが、赤目のままなのは気になります。充血してしまったときの対処方法を教えてください。
「酸素不足による充血は、血流をよくすることがポイントです。ホットタオルなどで目を温めると血流がよくなり、充血が緩和されます。飲酒などによる充血であれば、血管を収縮させる作用のある目薬をさせばおさまります。薬局に相談すれば、効果的な目薬を教えてもらえますよ。ただし、目薬もさしすぎはよくありません。必ず容量を守って使用してください」
きれいな白目を保つために、普段からできる習慣などはありますか?
「しっかり睡眠をとる、一定の時間がきたらコンタクトレンズを外してメガネに代えるなど、普段から目を疲れさせないようにしてください。また、紫外線から目を守ることも大切です。夏場は紫外線による炎症反応が特に多くなります。悪化すると、瞼裂斑(けんれつはん)という白目に黄色がかったシミができる病気を引き起こす恐れも。充血しやすい人は特に、外出時はUV機能のあるサングラスや日傘、帽子などを着用するようにしましょう」
また、井上先生によると「充血だけに効くわけではありませんが、抗酸化作用のあるアントシアニンをたくさん含んだベリー系のものを摂取すると目の老化防止になる」そう! アントシアニンは美肌効果もありますから積極的に摂取したいですね。
アイメイクの基本はきれいな白目から。こまめなアイケアで美しい瞳を保ちましょう!
井上眼科病院院長。東京大学医学部大学院卒業。その後は井上眼科病院勤務を経て、お茶の水・井上眼科クリニック院長に就任。さらに平成20年より医療法人社団済安堂井上眼科病院グループの理事長に就任すると、平成24年には井上眼科病院 第11代院長へ。専門は緑内障。薬物治療、レーザー治療、手術などを多数行っている。