ドロドロ汗で老廃物を排出! さぼりがちな入浴で汗をかこう

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ウレハダ編集部

ドロドロ汗で老廃物を排出! さぼりがちな入浴で汗をかこう

冬は入浴で発汗することを心がけている人も、暑い時期は自然に汗もかけるからシャワーで十分と、入浴をせずに済ませてしまうことがありますよね。でも、冷房などで体が冷えていることも多く、本当は夏場も入浴が必要なのでは…? 今回は夏の入浴の大切さについて、一般財団法人 東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門の川嶋朗先生にお聞きしました。

暑さでかく汗と、入浴でかく汗とは種類が違う! 入浴が大切な理由

「汗をかきやすい季節でも、入浴で発汗することは健康や美容のために大切です」と川嶋先生。その理由は、暑さでかく汗と入浴でかく汗とが、まったく種類が異なることにあるそうです。

「暑さや運動、緊張などでかく汗は『エクリン腺』と呼ばれる汗腺から出ています。主に体温調節の役割があり、その成分の99%が水分。一方、入浴でかく汗は『アポクリン腺』という汗腺から出ていて、体内の不要な老廃物を含みます。美容のためにも、アポクリン腺から発汗する習慣を持つことは重要です」

夏場は「水分の摂り過ぎや冷房による血流不良から、夏こそ意外とむくんでいることが多い」とのこと。こうしたむくみを解消するためにも、入浴することはとても有効なのだそうです。

老廃物をしっかり出したい! ベストな入浴方法とは?

老廃物の排出やむくみ解消に効果をもたらすためには、どのような入浴方法をすると効率がよいのでしょうか? 理想的な入浴の方法をお聞きしました。

「基本は体の芯まで温めながら、ゆっくり汗をかくことがポイントです。就寝前に、38~39度くらいのぬるめのお湯に30分ほど浸かりましょう。腎血流を増加させ、老廃物の排泄やむくみの解消に役立ちます。また、入浴後の発汗は上がった体温を下げようとする体温調節のためのもの。温めた体を冷まさないよう、なるべく早く体を乾かしてください。また、入浴で脱水になっては危険ですから、コップ1杯の水を持ち込むなどして水分を摂るようにしましょう。ただし、摂り過ぎない程度の量を心がけてください」

30分の入浴ではなかなか発汗しない人、のぼせやすい人もいます。そういった人はどうすればいいのでしょうか。

「普段から発汗していないと汗をかきにくいことがあります。その場合は、少し温度を上げてみてください。ベタっと肌に張り付くような汗が出始めたら、それはアポクリン腺から発汗している証拠。熱くても少し我慢してゆっくり浸かってみてください。のぼせやすい人は、長時間浸かれる温度まで下げて入浴しましょう」

40度を超える温度で就寝の直前に湯船につかってしまうと、目が冴えてしまい眠れないことも。高い温度の入浴は就寝の1~2時間前に入ることがおすすめだそうです。

全身浴と半身浴では何が違う?

入浴の方法として全身浴と半身浴がありますが、この2つは何が違うのでしょうか。

「一番違う点は体への水圧のかかり方です。全身浴のほうが半身浴より水圧が強くかかります。水圧が強くかかれば心臓にも圧力がかかるので、そのぶん血流がよくなり、全身浴のほうが効率よく体を温められるというメリットがあります。ただし、全身浴は心臓に負担がかかるものですから、心臓に不安のある人は絶対に避け、水圧の弱い半身浴を利用してください」

夏はついつい怠りがちになってしまいますが、健康と美肌のために入浴は大切なのですね。暑くても入浴習慣、続けましょう!

取材協力:一般財団法人 東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門 川嶋朗先生

東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授、東洋医学研究所附属クリニックでは自然医療部門を担当。東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長を経て現職へ。 日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会・日本透析医学会指導医、日本統合医療学会・日本予防医学会理事も務めている。近著には『医者に殺されないための『かかりつけ医』の見つけ方』(光文社)、『医者が看取りから教わった身近な人に迷惑をかけない39の心得』(宝島社)などがある。

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