普段の生活では意識することが少ない呼吸。でも、ヨガや筋トレなどの運動をしているときや、心を落ち着けるときなどに、呼吸が大切だといいますよね。知っているようで知らない「正しい呼吸のやり方」。
体と心に効く、ヨガの呼吸法を首都圏のヨガスタジオを中心に指導を行っているヨガインストラクターの辻本智弘さんに伺いました。
「呼吸についてはさまざまなことがいわれており、呼吸法として知られているものもたくさんあります。たとえば、『腹式呼吸』、『胸式呼吸』という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。 腹式呼吸は、息を吸うと横隔膜が下がって内臓が押され、おなかが膨らむのが特徴。副交感神経の働きを活発にさせ、リラックスさせる傾向があります。一方、胸式呼吸はおなかを薄く保ち、肋骨を大きく広げることで息を吸います。交感神経を活発にさせ、体を活動的にしてくれる傾向があります」
このほかにも無数の呼吸法がありますが、一貫して重要なのは、「ゆっくりと深く呼吸をすること」なのだとか。
「私たちは1日に2万回も呼吸をしています。だからこそ、呼吸に目を向けることは非常に大切です。呼吸は心配事やストレスがあると浅くなります。浅い呼吸を続けていると酸素が不足し、自律神経に影響し、体も緊張してさまざまな不調が現れます。反対にゆっくりと深い呼吸ができていれば、体のすみずみまで酸素が運ばれ、血液のめぐりが良くなったり免疫力がアップしたりするなど、体へのメリットがたくさんあります」
辻本さんによれば、深い呼吸には主に次の4つのメリットがあるそうです。
1)心身ともに元気になる
肺にたっぷりと酸素を取り込むことで、身体のすみずみの細胞まで活性化。エネルギーをチャージして心身ともに元気に。
2)内臓がマッサージされる
横隔膜がしっかり働くことで内臓をマッサージされるため、めぐりが良くなる。
3)自律神経のバランスが整う
深い呼吸で自律神経が整い、免疫力や消化機能がアップ。エイジングを防ぎ、美容につながる。
4)リラックスできる
主に腹式呼吸によって期待できる効果。気持ちが安定し、リラックスできる。寝る前に深呼吸すると快眠にも◎。
では、一般的な腹式呼吸法のポイントをご紹介します。
「ヨガでは、集中力を高めたり意識を整えたりするうえで、呼吸は重要な役割を果たします。呼吸が整うと体が正常に機能し始め、健康的になっていきますし、ストレスによる食べすぎなども自然と防いでくれますよ。深い呼吸を身につけるには、呼吸に意識を向けるヨガの練習がオススメです」
朝・昼・夜、寝る前など自分の好きなときに、いつでもどこでもできるのが深呼吸の良いところ。ストレスや不安などから解放されたいとき、気持ちを切り替えたいときは、まず深呼吸をしてみましょう。深く呼吸をすればするほど、心も体も整っていくのが実感できますよ。
学生時代はストリートダンスに熱中。大学卒業後、IT系企業のSEとして勤務するもダンスに対する情熱が衰えず、身体表現の可能性を探求。2008年、ラテンダンスの研修のために訪れたキューバでヨガを開始。以後、ヨガが心身に与えるポジティブな影響を実感し、トレーニングを継続。2010年、ヨガインストラクターになるため、IT系企業を退職。現在は「スタジオ・ヨギー」のほか、首都圏のヨガスタジオでアシュタンガヨガを中心に指導をおこなっている。「全米ヨガアライアンス認定200h」取得、「David Swenson アシュタンガヨガTT」修了ほか。
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