「髪は女の命」と言いますが、髪に関する悩みは尽きないもの。ヘアケア製品のなかでも、毎日のように使用するシャンプー選びは気を遣うところですが、自分の髪に合うシャンプーの基準がよくわからない…なんてことはありませんか? キャッチコピーやCMに惹かれて購入するものの、髪の悩みは改善されないまま…。
そこで今回は、シャンプーの成分表示の見方から、ダメージや頭皮のベタつきなど髪のお悩み別のシャンプーの選び方までを、南青山の美容院「CLARICA&STRAMA(クラリカ アンド ストラマ)」のトップデザイナーである高橋唯子さんにお聞きしました。
高橋さんいわく「自分に合うシャンプーを見つけるには、キャッチコピーだけでなく、配合されている成分を参考にするといい」そう。
「シャンプーは全成分を表示することが義務付けられているため、裏面を見ればすべての成分がわかります。化粧品同様、配合量の多い順に記載されているので、見方は簡単。シャンプーにもっとも多く含まれるのは『水』ですので、先頭には水が表記されており、次に界面活性剤(洗浄成分)が続きます。大体3~4番目まで確認するとよいでしょう」
使われている界面活性剤により、シャンプーの効能が変わってくるとのこと。
「界面活性剤は、皮脂や整髪料など、水だけでは落としきれいない汚れを包み込んで落とす性質を持っています。界面活性剤には、ラウリル硫酸やラウリン酸など数えきれないほどの種類があり、それら種類の組み合わせによって洗浄の強さや髪へ与える影響の違いが生まれます」
ただし、成分の効果は目安であり、髪質やダメージ具合などにより個人差があるそうです。高橋さんは「髪質にピッタリのシャンプーを探すには、合いそうなものを何種類か試して比べてみたり、通っている美容院でアドバイスを求めたりするのもオススメ」と言います。健康的で美しい髪を作るために、改めてシャンプーを見直したいですね!
自分の髪質にピッタリ合ったシャンプーを使えば、髪の状態をよくすることができるそうです。
「シャンプーは、原材料と界面活性剤の違いによって、大きく以下の4種類に分かれています」と高橋さん。代表的なシャンプーの種類をまとめました。
アルカリ性石けん系シャンプー | 酸性石けん系シャンプー | 酸性石けん系シャンプー | 酸性石けん系シャンプー | |
---|---|---|---|---|
界面活性剤 | ●カリ石けん素地 ●ラウリン酸K ●ラウリン酸K |
●ラウレス-5-酢酸Na ●ラウレス‐4-カルボン酸Na |
●ラウリル硫酸Na ●ラウリル硫酸アンモニウム ●ラウリル硫酸TEA |
●ラウロイルメチルアラニンNa ●ココイルメチルアラニンTEA ●ラウロイルグルタミン酸Na ●コカミドプロピルベタイン ●ラウラミドプロピルベタイン |
洗浄刺激性 | 最も洗浄力が高い | 洗浄力が高い | 洗浄力はやや高い | 洗浄力が弱い |
刺激性 | 最も刺激が強い | 低刺激 | 刺激はやや強め | 最も低刺激 |
適性 | 傷みにくい強い髪質の方向け | 髪のダメージが気になる方向け | 頭皮のベタつきが気になる方向け | 敏感肌でダメージが気になる方向け |
代表的な種類がわかったら、自分にベストなシャンプーを選びたいところ。界面活性剤の種類をもとに、30~40代のウレハダ世代によくある髪のお悩み別に、オススメのシャンプーを高橋さんに紹介してもらいました。
「カラーやパーマなどのダメージが少ない人で、頭皮のベタつきが気になる場合には、『高級アルコール系』または『アルカリ性石けん系』がオススメ。汚れをサッパリと洗い流してくれます」
「カラーやパーマ、ドライヤーの熱などによるダメージが気になる人は、『酸性石けん系』がベスト。泡立ちがいいというメリットを持ちながらも酸性であるため、カラーやパーマなどでアルカリに傾いた髪の状態を中性や弱酸性に中和して、日常的にダメージから守ってくれますよ」
「髪へのダメージは気になりつつも、地肌への負担を抑えたい人にオススメなのが『アミノ酸系』。ただし、スタイリング剤を使用したままアミノ酸系シャンプーを使うと汚れが落ちきらず、頭皮がベタつく原因になることも。汚れがひどいときは、酸性石けん系を使ったほうがいい場合もあるでしょう」
お悩みごとに、選ぶとよいシャンプーがこれほど異なるものとは…。成分表を参考にしながら、自分に合うシャンプーを見つけていきたいですね!
国際文化理容美容専門学校卒業。意識の高いヘアデザインを生み出し、女性のかわいらしさを見つけるのが得意。ヘアケアチームリーダーとして、豊富な知識量と的確な診断により、お客様からも高い支持を得ている。