普段はあまり意識しない姿勢や歩き方。もしかしたら、その歩き方だと老けて見られているかも…!? そこで、ウォーキングインストラクターの谷英子さんに理想的な歩き方を伺いました。
「日本人は、ひざを使って歩く人が多いんです。そうすると、地面からの衝撃がひざなどの関節にダイレクトに伝わり、痛める原因になります。ひざではなく、腰を使って歩く『骨盤ウォーキング』は、見た目の印象をはじめ、健康やメンタル面、プロポーションの改善など、さまざまな効果が得られます」
それでは、歩き方を見直すことでどんな効果があるのか、具体的にご紹介しましょう。
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「たとえば、ひざや腰、首が曲がっていたり、背中が丸まっていたりすると、実年齢よりも老けて見えがち…。背筋を伸ばした美しい姿勢で歩くと、若々しく見え、第一印象やイメージが大きく変わりますよ」
「猫背で歩くと胸がすぼまり、呼吸が浅くなります。姿勢がいいと呼吸が深くなり、酸素摂取量が多くなります。栄養素は酸素とともに運ばれるので、呼吸が深くなれば、自然と新陳代謝が活性化して肌の色ツヤが良くなる効果も。また、酸素は疲労物質も回収してくれるので、疲れにくくなります」
「ひざよりも腰を支点にして、体を使って歩いたほうが、振り子の振り幅が長くなるので、歩幅が広くなります。歩幅は1センチでも広くなると、その分たくさんの筋肉を使うので脂肪燃焼効果が上がります。腰を使って歩くことで、だいたいかかと1つ分、7センチほど歩幅が自然と広がり、脂肪燃焼効果は約3割アップ。歩き方を変えるだけで、ダイエット効果も期待できます」
「姿勢や歩き方がよくなると自信が持てるようになり、気持ちも前向きになります。また、姿勢を保つために働く筋肉は『抗重力筋』といい、この筋肉は大脳と関係しています。いい姿勢でリズム良く歩くと、ストレスなどに効果的な『セロトニン』という脳内物質の働きが活発になり、リラックス効果が得られるとともに、抗重力筋に働きかけてさらに姿勢が良くなる好循環に。美姿勢は、脳科学的にも心理面にいい効果を与えてくれるのです」
「上の写真のように、ひざから前に出る歩き方だと、足の付け根の位置が目立ちます」
「一方、腰を使って歩くと、体のシルエットが変わってプロポーションがよく見えます。ひざを伸ばし、腰から足を踏み出すようにして歩くと、腰から下が足であるような印象を与えられるようになるのです。つまり、骨盤1つ分、男性なら平均20センチ、女性なら18センチほど足が長く見えます」
理想的な歩き方のメリットがわかったところで、「骨盤ウォーキング」のやり方を教えてください!
「腰を使って歩くためには、まずは胸元から足だとイメージし、意識を高い位置に保つようにしましょう。ひざは伸ばして、かかとから着地したほうがいいのですが、意識しすぎるとロボットのようにぎこちない動きに…。それよりも、リズムよく歩くことを優先しましょう。目線は5メートル先くらいを見据えて歩くと、姿勢が自然と起きてきますよ。重心を高く保つ工夫をしましょう」
「骨盤ウォーキング」をすると、歩行姿勢が安定し、いつもよりも歩きやすく感じるそう。理想的な歩き方を身に付けて、外面も内面も健康的で美しくなりたいですね。
※「骨盤ウォーキング」は骨盤ウォーキング協会の登録商標です。
ウォーキングインストラクター、骨格姿勢インストラクター、健康運動指導士。骨格矯正の専門クリニックで骨格姿勢インストラクターを務める。10年以上の経験をもとに、体のゆがみの改善から行なう独自のウォーキングメソッド「骨盤ウォーキング」を考案。現在、表参道を拠点にウォーキング教室を開催する他、各地で公演・イベント・セミナー講師としても活動。TV・雑誌などのメディアでも幅広く活躍中。
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