美肌のために、スキンケアや食事に気を遣っている方は多いですが、肌に比べてお手入れをおろそかにしがちなのが頭皮です。放っておくと、抜け毛や白髪、細毛といった“老け見えサイン”の出現を引き起こすことに…。
今回は、毛髪診断士であり、メディカルヘアケアのサロン・ド・リジュー代表 永本玲英子さんに、“老け見えサイン”の原因と対策について伺いました。
「抜け毛、白髪、細毛といった髪のエイジングサインと深く関係しているのが、毛母細胞を取り囲む頭皮の皮脂です。皮脂は食事で摂取した油分が、血液を通じて毛母細胞近くの皮脂腺に集まったもの。頭皮の潤いを保ち、髪の表面をコーティングするなど、頭皮と毛髪を守っています」
「しかし、加齢や外的要因で皮脂が酸化すると、頭皮が炎症を起こし、毛髪表面のコーティングが不十分になるなど、髪質自体にさまざまな悪影響をもたらします。これが“老け見えサイン”の原因なのです」
では、皮脂の酸化はなぜ起きるのでしょうか?
「皮脂の酸化を引き起こすのは、日々の生活で体内に蓄積された水銀や鉛などの有害重金属です。頭皮と毛根の環境を悪化させる有害重金属を除去することが、“老け見えサイン”を防ぐ近道になりますよ」
「有害重金属は、大型魚を中心とした魚類や貝、海藻などを食べることで体内に取り込まれます。普段からこれらの食材ばかりを食べるのではなく、肉類や植物性のタンパク質である大豆製品もバランスよく摂取することが大切です。頭皮のデトックス効果が期待できる玉ねぎやパクチーも一緒に食べることをオススメします」
食生活のほかに、頭皮を健康に保つ方法はあるのでしょうか?
「食事を見直すだけでなく、頭皮の表面に蓄積している汚れを取り除くことも重要です。スカルプケア専用のシャンプーは、有害成分への考慮もされている製品と考えていいでしょう。毎日、皮脂や汚れをしっかりと落とすことが、健康な頭皮を保つポイント。毛髪の乾燥やダメージが気になる方は、傷みを修復するタンパク質が洗浄成分のシャンプーやトリートメントを使用してみてください。食生活とヘアケアを見直すことで、若々しい毛髪を育むことができますよ」
「女の命」ともいわれる髪を美しく育てるには、まず頭皮から。日々の生活を見直して、“老け見えサイン”を防ぎましょう。
「サロン・ド・リジュー」代表で毛髪診断士・日本抗加齢医学会正会員・日本健康医療学会健康医療コーディネーター。美しい髪作りを目指し、本物のヘアケアとスカルプケアを追求。医師の監修に基づいた日本初のヘアケアとスカルプケアに特化したサロンを主宰。テレビ、ラジオ、雑誌などへの出演も多数。著書に『頭皮毒デトックス 地肌力がみるみる再生!』(コスモトゥーワン)、『頭皮で解決!髪のエイジング・トラブル』(産業編集センター)、『デトックスで美髪になる!―10歳若返る艶髪 』(Gakken Mook)がある。