白湯の美容効果って? 正しい作り方と効果的な飲み方

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ウレハダ編集部

白湯の美容効果って? 正しい作り方と効果的な飲み方

美容効果が高いと人気の白湯ですが、水から作られるため栄養成分はとくにないはず……。なぜ美容効果がうたわれているのでしょうか。白湯が持つ美容効果のメカニズムを、マハリシ青山プライムクリニックの蓮村院長にお聞きしました。

 

アンチエイジング効果も? 白湯がもたらす美容効果とは

栄養成分が含まれない白湯に、なぜ美容効果がうたわれているのでしょうか。

「白湯には栄養成分はありませんが、胃腸を温めることで消化機能を高める作用があるといわれています。体の中央に位置する胃腸は、代謝を司る重要な臓器。胃腸を温めることで、熱が全身に行きわたり、体の温度が上がります。体温が上がれば代謝も上がり、免疫力の向上、痩身につながります。また、胃腸の消化機能が活発になれば、口から入ったものが消化されやすくなるだけでなく、体に溜まってしまった毒素や老廃物の排出もスムーズになります」

確かに胃腸が荒れると吹き出物ができるなど、肌と胃腸には綿密なつながりがありますよね。

「胃腸が不調だと、体のさまざまな部分に悪影響が出ます。肌荒れもそのひとつで、胃腸の機能改善は美容にもとても重要です。特に年齢を重ねると、毒素や老廃物を溜め込みやすくなります。白湯を日常的に摂り入れることでもっとも効果的とされるのが、これら毒素や老廃物の排出を促すアンチエイジング効果。体内の毒素や老廃物が排出されれば、体重も落ちやすく、肌ツヤもよくなりますよ」

意外に間違っている! 白湯の正しい作り方

ところで、みなさんは「水を沸騰させて冷ましたもの」が白湯だと思っていませんか? 厳密に言うとこれは間違いだと蓮村先生は言います。

「軟水のミネラルウォーターか浄水器を通した水道水を、やかんに入れて火にかけ、沸騰させます。沸騰したらやかんの蓋を取って、さらに10~15分沸騰を続けます。それを50~60度くらいに冷ましたものが、白湯と呼ばれるものです。」

沸騰してすぐに火を止めてしまうと、空気の循環が足りないそう。十分に空気を含ませることで、口当たりもよく、胃腸を温めるのに適した水質になるのだとか。

飲み過ぎはNG! 効果的な飲み方と適切な量

白湯の美容効果を効率的に得るためには、朝昼夜に欠かさず飲むことが大切だそう。飲み方にもコツがあります。

「起床後すぐに飲むのではなく、ある程度体を動かして頭がすっきりしてきた状態、つまり交感神経が優位になったころが最適。洗顔や歯磨きなどを終え、体と頭を目覚めさせてから、コップ1杯の白湯を飲みましょう。一気に飲むと胃腸に負担がかかりますから、少量ずつゆっくりとすするように飲んでください。昼と夜は食事と一緒に摂ります。こうすることで胃腸が温まって消化機能が十分に働き、食べものを消化する際に余計な毒素を溜め込むことを防ぐことができます。逆に食事中に冷たい飲み物を摂ると消化機能が十分に働かず、毒素を溜め込んでしまいます」

いいことずくめですが、飲みすぎも禁物! 大量に飲むと胃腸の働きがよくなりすぎてしまい、かえって胃腸に負担がかかるのでNGだそうです。

「1日700~800ml程度を目安にし、1Lを超えないようにしましょう。朝昼夜を基本としつつも、時間の空いたときに少量ずつ飲むのもよいでしょう。飲み慣れていないと、喉に詰まるような違和感を覚えるかもしれませんが、1週間もすれば飲みやすく感じるようになります。これは胃腸の消化作用がうまく働き始めた証拠です」

蓮村先生いわく「日本人女性は世界的に見ても胃腸機能が弱く、体温も低い」そうです。さらに、夏は1年のなかでも胃腸が弱りやすく、代謝が下がる時期だと言います。

暑さでつい冷たい物を摂りがちですが、白湯以外でも飲み物は常温にするなどして、体を温めることを常に意識したいですね。

取材協力:マハリシ青山プライムクリニック 院長 蓮村誠先生

1961年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業、医学博士。医療法人社団 邦友理至会理事長。マハリシ南青山プライムクリニック院長。東京慈恵会医科大学病理学教室および神経病理研究室勤務の後、1992年オランダマハリシ・ヴェーダ大学、マハリシ・アーユルヴェーダ医師養成コースに参加。現在、診療に当たる傍ら全国各地での講演活動、書籍執筆などマハリシ・アーユルヴェーダの普及に努める。著書に『病気にならない「白湯」健康法』『もの忘れの9割は食事で治せる』(ともにPHP文庫)、『〈ありのまま〉の自分を磨く』(春秋社)などがある。