心がほっと落ち着く! 30代~40代女性にオススメの絵本5選

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ウレハダ編集部

心がほっと落ち着く! 30代~40代女性にオススメの絵本5選

2016年上半期はオリコンやAmazonの本の売上総合ランキングで、絵本『おやすみ、ロジャー』 が異例の1位となりました。本が売れなくなっているなか、絵本は売れ行きが好調。大人の間でも絵本への関心が高まっているようです。

そこで、絵本セラピスト・絵本講師・絵本専門士など、絵本に関する数々の資格を持つフリーアナウンサーの近藤麻智子さんに、その理由を伺ってみました。

絵本ならば、数分で非日常の時間を手に入れられる

「ここ1~2年でテレビや新聞、雑誌などのメディアで大人向けの絵本特集をよく見かけるようになったと実感しています。大人だけが集まって絵本を読み合う会やワークショップも数多く開催されるようになりました」

近藤さんによれば、その背景には、現代に生きる大人の女性たちのライフスタイルがあるのだと言います。

「仕事や家事、育児、介護と、さまざまな役割を担いながら忙しく生活している女性のなかで、『少しでも非日常に触れる時間を持ちたい』と思う方が増えているのではないでしょうか。また、大人は絵本を読むとき、今気になっていることや過去の経験、価値観を、無意識にストーリーへ投影させます。シンプルな文章の行間に、自分の気持ちを埋めながら読んでいくことで、素直な気持ちになれたり大切なことに気づけたりすることも多く、心が緩やかにほどけていくんですよ」

映画を観たり小説を読んだりするのには一定の時間が必要ですが、絵本ならばたった数分で読めるので、簡単に非日常の時間が手に入ります。これが、大人の女性に絵本がヒットしている理由なのかもしれません。

30~40代の女性にオススメの絵本5選

30~40代の女性にオススメの絵本5選

とはいえ、大人の女性たちはいったいどんな絵本を読めばいいのでしょうか? そこで近藤さんに、ウレハダ読者にオススメの絵本を、ジャンル別に5冊ピックアップしてもらいました。

ぐっすり眠れる絵本 『シルクハットぞくは よなかのいちじにやってくる』(童心社/著:おくはら ゆめ)

シルクハットぞくはよなかのいちじにやってくる

「こちらは、第18回日本絵本賞を受賞した作品です。シルクハットをかぶったマント姿の人たちが夜中の1時に現れ、とあるささやかだけど大切な仕事をするという、意外な展開で進んでいくストーリーです。世界にはさまざまな環境があるなか、安心して眠りにつけることは平和で素敵なことだと、改めて感じさせてくれます。また落ち着きをもたらす効果のあるブルーやグリーンが重なり合った深い色合いで、寝る前に心身ともにリラックスさせてくれます」

笑える絵本 『ネコリンピック』(ミシマ社/作:益田ミリ 絵:平澤一平)

ネコリンピック

「自由奔放な猫たちの大会に思わず癒やされ、大笑いというよりは『くすっ』と笑顔になるストーリーです。いろんな役割をこなしながらがんばっている女性たちが、『自分もこんな風にゆるくできたら』と思える一冊。芸術的な装丁にもぜひ注目してくださいね」

自信が持てる絵本 『おかあさん、すごい!』(赤ちゃんとママ社/著:スギヤマカナヨ)

「お母さんは何でもできる完璧な人間だと思っていませんか? でも、母親にだって苦手なことはたくさんありますよね。『自分はお母さんになりたかったんだ』と思い出す人、『仲の悪いお母さんを許せる気持ちになった』という人…この絵本を読むたびに、さまざまな感想を耳にしました。現在、育児をしている方ならば、きっと自分を褒めたくなる一冊です」

心が落ち着く絵本 『木のうた』(ほるぷ出版/著:イエラ・マリ)

木のうた

「世界各国で出版されている文字のない絵本です。日本でも1977年に刊行されて以来人気のロングセラー。四季の移り変わりを描いた絵だけを頼りに、静かに想像力を膨らませながら読むことができるので、心が落ち着く一冊ではないでしょうか。読めば、忙しい日々に追われていつの間にかOFFになっていた感性のスイッチを、ONにしてくれると思います。絵本を閉じた後に、あなたならどんなタイトルをつけるか、ぜひ考えてみてほしいです」

人生を考える絵本 『Life(ライフ)』(瑞雲舎/著:くすのき しげのり イラスト:松本春野)

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「舞台は、町の外れにある『Life』という少し変わったお店。主人公のおばあさんをはじめとする、さまざまな世代の人生が交差しますが、誰に感情移入するかは人それぞれ異なります。親の死について振り返ったり考えてみたり、ふと『自分が生活する町で、どんな風に暮らしていきたいのか』と、これからの人生に思いをはせてみたり。30~40代の人だからこそ響く絵本ではないでしょうか」

絵本は大人も誰かに読んでもらおう

では、より絵本の世界に没入できる、効果的な読み方はあるのでしょうか?

「実は、一番効果的なのは人に読み聞かせてもらうことなんです。大人は文字を読むと、どうしても理性が働いてしまいます。また、文章を読んでから絵を見ると、タイムラグが生じてしまい、絵を見ているようで見ていないのです…。文字を読まずに絵だけに集中すると、感性が豊かに働くので、できれば誰かに読んでもらうことをオススメします。なので、お子さんが文字を読めるようになっても、絵本だけは読み聞かせてあげてくださいね」

日常生活に疲れているときこそ、絵本を読んで非日常に触れてみてはいかがでしょうか? もしご家族で絵本を読んでくれる方がいれば、さっそくお願いしてみましょう!

取材協力者:ニチエンプロダクション 近藤麻智子さん

札幌テレビ放送、新潟総合テレビを経て2011年よりフリーアナウンサー。その後、小児病棟での絵本の読み語り活動を始め、絵本セラピスト、絵本講師、絵本専門士の資格を取得。絵本セラピー®のワークショップ「絵本のち晴れ」や「絵本ヨガ」を主宰。2016年2月に絵本ヨガ『森のくるるん』(そうえん社)を出版。1児の母。

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