花粉症シーズンを乗り切ろう! 体への負担が少ない漢方薬

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ウレハダ編集部

花粉症シーズンを乗り切ろう! 体への負担が少ない漢方薬

いよいよ本格的な花粉症シーズンが到来。鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状が続くと、それだけで憂うつな気分になってしまいますよね…。薬が手放せないという人も多いのでは?

しかし、薬を飲んで症状は軽減したものの、頭がボーッとしてしまったという経験はありませんか?代官山パークサイドクリニックの岡宮裕先生に、その原因と花粉症に効く漢方薬について伺いました。

花粉症の薬を飲むと、眠くなってしまうのはなぜ?

「薬局などで手に入る市販薬や西洋医学的治療の内服薬には、『抗ヒスタミン剤』が使用されていることがほとんどです。アレルギー症状の緩和に大きな効果が期待できる一方で、眠気や鼻の粘膜が乾燥しやすいといった副作用が伴うことがあります」

症状が治まったとしても、副作用が強い薬を飲み続けるのは少し抵抗がありますよね…。また、西洋医学に基づいて処方される内服薬は、今起きているアレルギー症状にのみ作用するため、根本的な花粉症の治療には結びつかないそう。体に負担にかけず、アレルギー症状を軽減できる内服薬はあるのでしょうか?

花粉症には漢方薬も効果アリ!

「副作用による眠気が心配な方には、漢方薬がオススメです。漢方薬は同じ症状でも、その人の体質(証)に合わせた処方を行うため、副作用の心配が少なく、体にやさしい療法といえます。東洋医学において着目するのは、アレルギー症状そのものではなく、体を構成する「気・血・水」のバランスなのです」

たとえば、鼻水などの花粉症の症状が出た場合、東洋医学では花粉はあくまできっかけにすぎず、「水」のバランスが乱れているために、余分な水分が鼻水として出てくると考えます。今起きている鼻水という症状を緩和すると同時に、体内バランスを整えることで体の防御力そのものを高めることができるのは、漢方薬ならではの働きなのだとか。

アレルギー症状を緩和する漢方薬は2種類

「漢方薬は、スギやヒノキ、ブタクサ、カモガヤ、ヨモギなど、どんな花粉に対しても有効です。また、眠くなる成分は一切含まれていません」

岡宮先生に、花粉症の症状に効果がある代表的な漢方薬を教えてもらいました。

19番 小青竜湯(ショウセイリュウトウ)

くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった代表的な花粉症状に有効。痩せ型で冷え性の人に最もよく効くが、それ以外の人も飲んでみる価値がある第一選択薬。

119番 苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)

心疾患、重度の高血圧、胃腸が弱いなど「19番小青竜湯」に含まれる麻黄(マオウ)成分が「証」に合わない人にオススメ。

「『19番 小青竜湯』は、即効性が特徴。服用後30分ほどで効果が実感できます。また、ご紹介した2つの漢方薬は、ともに『乾姜(カンキョウ)』と『細辛(サイシン)』『五味子(ゴミシ)』の組み合わせを含んでおり、体を温める作用も期待できます。体内の『気・血・水』バランスを乱さないためにも、体を冷やさない、刺激物を取りすぎないといった生活習慣も心がけてくださいね」

正しく服用すれば花粉症でお悩みの人の強い味方になってくれそうですね!市販薬では眠気などの副作用を感じてしまうという人はこの春、漢方薬を試してみてはいかがでしょうか?

取材協力:代官山パークサイドクリニック院長 岡宮裕先生

杏林大学医学部卒業。2009年代官山パークサイドクリニック開業。漢方薬治療を得意とし、『体に負担の少ない、一人一人に最適な治療』を心掛け、患者様の症状やニーズにじっくりと耳を傾けながら診療を行う。東京都アーチェリー協会専門委員(医事)などを務め、スポーツドクターとして多くのアスリートの健康サポートも行う。

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