体にフィットする服を着たときや、入浴前に裸の姿を鏡で見たとき…ボディラインは年中、気になるものですよね。とくに、年齢を重ねるにつれて、お腹まわりの余分なお肉が落ちにくくなったことを気にしている方は多いのではないでしょうか? とはいえ、ワークアウトに通う時間はない…。
今回は、家でもできる、お腹のシェイプアップに効果的なヨガのポーズを、ヨガインスタトラクターの鈴木靖世さんに教えてもらいました。
「お腹まわりのお悩みは大きく2つに分かれます。1つは、ぽっこり出た下腹部。これは主に10〜20代の若い方が気にする部分です。もう1つは、腰回りについた余分なお肉。これは主に30〜40代に多いお悩みです」と鈴木さん。
この2つはそれぞれ原因が異なるのだそうです。
「まず、下腹部がぽっこりする原因は、姿勢にあります。猫背の状態は、すなわち腹筋が抜けている状態で、どんなに細い人でも下腹部に脂肪がつきやすく、ぽっこりと出てしまいます。これを解消するには、『大腰筋(だいようきん)』を鍛えること。『大腰筋』は骨盤を支える役割があるため、ここを鍛えるとよい姿勢を保ちやすくなり、下腹部に適切な筋肉がついて引き締まります。反対に、『大腰筋』がゆるむと姿勢が悪くなり、下腹部が出てしまいます」
こちらの2枚を見比べると一目瞭然! 1枚目は正しい姿勢のときのもの。お腹が引き締まっています。
姿勢が悪いと腹筋が抜けて、お腹がぽっこりと出て、たるんで見えます。
では、30~40代が悩みがちという、腰回りの余分なお肉の原因とは?
「腰回りについた贅肉を落とすには、『腹斜筋(ふくしゃきん)』を鍛える必要があります。『腹斜筋』はお腹の横にある筋肉で、外腹斜筋と内腹斜筋の2層の筋肉で構成されています。脇腹をしめつけるコルセットのような働きがあり、この筋肉が弱いと脇腹から腰のあたりに贅肉がつきやすくなります」
下腹部と腰回りをシェイプアップするヨガのポーズには、どんなものがあるのでしょうか? 鈴木さんに教えていただきました。
四つん這いの姿勢になり、ゆっくりと腹式呼吸をします。自然な呼吸ができるスピードで、4秒吸って、4秒吐くことを1セットに、5セット繰り返します。吐くときにお腹を薄くしていくことで、腹筋の使い方を覚えていきます。
※NGポイント
このように、腰が反るのはNGです。これではお腹に力が入らず、腹筋は落ちたままです。お腹と背中は水平に保ち、お尻を突き出さないように腰はまっすぐにしましょう。
1:四つん這いになります。このときも腰が反らないように注意。お腹と背中も水平を保ちましょう。
2:片足ずつ、膝と頭を引き寄せます。おなかを薄くしたまま胸式呼吸をしながら、4秒ほどかけてゆっくりと行いましょう。
3:ステップ2と同様におなかを薄くしたまま胸式呼吸をしながら、4秒ほどかけてゆっくりと、足を後ろに伸ばしていきます。
「このポーズを正しくおこなうと大腰筋が鍛えられ、下腹部のシェイプアップに繋がります。『ぽっこり下腹部を引き締めるポーズ~その1』の後に行うとベター。1~3を1セットとして、1日5回を目安に行いましょう」
※NGポイント
このようにお腹が落ちるのはNGです。お腹に力を入れて、腹筋がきちんと使える姿勢でおこないましょう。
横向きの姿勢になり、肩ひじをついて支えながら、お尻を浮かせたポーズをキープします。普段運動をしていない人は10〜15秒キープを1回目安に、よく運動して筋肉がついている人は1分程度キープしましょう。自然な呼吸を心がけること。
反対も同様に行います。
なお、慣れておらずに辛い場合は、上図のように膝を曲げておこなってもOKです。
※NGポイント
腰が上がってしまったり、背中が曲がってしまったりするのはNGです。頭からつま先まで、まっすぐ平らな一直線になるようにしましょう。
今回教えていただいた下腹部と腰回りにきくポーズは、どれも家でできるものばかり。気が付いたときにポーズを試して習慣化させ、スッキリ引き締まったお腹を目指しましょう。
「日本トリセツカラダヨガ協会」会長(トリセツカラダヨガ創設者)、VAJA公認均整術師。幼少の頃からダンスをしていたが、身体は弱く、ボディコントロールがうまくできていなかった。ヨガを始めてその原因が自身の心や生活習慣にあることに気付き、ヨガを実践していく中でその素晴らしさを実感し、インストラクターの道を目指す。日本最大級のホットヨガスタジオ「LAVA」では全米ヨガアライアンスの一部クラスを担当するなど、インストラクターの指導にもあたる。