年齢を重ねるとともに気になってくる口臭。最近は、ニオイで不快な思いをさせることを指す「スメルハラスメント」という言葉もあるせいか、自分の口臭にお悩みの方が多いようです。いったいどうすれば嫌なニオイを改善できるのでしょうか?
「加齢や生活習慣、薬の副作用などの影響で唾液の分泌量が減って口内が乾燥すると、細菌が繁殖して口臭が発生します。ニオイが気になったら、まずは水分補給をして歯を磨きましょう」
こう話すのは、銀座池渕歯科の院長・池渕剛先生。同院には、約10人に1人の患者が口臭の悩みで来院していると言います。
「水分補給や歯磨きをしても口臭が気になるときは、舌が汚れていないかを確認してみてください。皮膚や髪と同様に、舌の細胞も日々生まれ変わっています。しかし、新陳代謝が低下すると、舌の表面に雑菌や食べ物のカスが残ったままとなり、それが腐敗して口臭の原因となる、白色や黄褐色、黒色の舌苔(ぜったい)になってしまうのです」
歯ブラシまたは舌用のクリーナーで2~3回軽く舌をこすり、舌苔を落としていくだけです。痛みを感じるほど強くこすると、舌が傷ついてしまうので要注意。
「頻度は多くて1日2回程度、歯を磨くタイミングに行うとよいでしょう。大型雑貨店などで購入できる舌用クリーナーには、一般的にヘラタイプとブラシタイプがありますが、どちらを使うかはお好みで選んでください」
歯科医院によっては、舌の水分量を測定する機器を販売しているんだとか。水分量が20%以下だと乾燥している状態。セルフチェックに役立ちそうですね。
「ただし、口臭に対して神経質になってはいけません。あまりにも気になるようでしたら、虫歯予防も兼ねて歯科検診に行くことをオススメします。基本的には2~3カ月に1回程度のペースで十分です。ワインやコーヒーを頻繁に飲まれる方は口の中が汚れやすいので月1回くらいはチェックしてもらうと安心ですよ」
知らぬ間にスメルハラスメント加害者になっていた…なんてことにならないように、水分補給や歯磨きだけでなく、舌のセルフケアと定期検診で口の中をきれいに保ちましょう!
大阪大学歯学部卒後、医療法人での勤務医を経て、厚誠会歯科代々木上原 院長、医療法人社団厚誠会理事を歴任。患者への高度で良質な、理想の歯科医療の実現を志し、2001年7月 東京・銀座中央通りに、銀座池渕歯科を開院。
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