気軽に会話とお茶を楽しめる? 気になる煎茶道のマナーが知りたい!

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ウレハダ編集部

気軽に会話とお茶を楽しめる? 気になる煎茶道のマナーが知りたい!

「いつか、お茶を習ってみたい」と憧れている女性は、多いのではないでしょうか。でもお抹茶を点てる茶道は敷居が高く感じる…と思っていたら、普段私たちが飲んでいる煎茶をいただく、「煎茶道」というものがあるのだとか!

今回は煎茶道三癸亭賣茶流(さんきていばいさりゅう)・広報の島村満穂さんに、煎茶道の特徴とテーブルでお茶をいただく際のマナーについて教えていただきました。

煎茶道ってどういうもの?

「煎茶道は、茶道の一種です。『茶道』というと抹茶を点てるイメージが強いですが、実は抹茶道と煎茶道という2つの道が存在しています。茶道の世界では形式化が先行していったことから、形にとらわれず会話とお茶を楽しむ文化として、煎茶道が江戸時代の中期から流行していきました」

抹茶道のお茶会に参加する場合には、基本的に訪問着など正装の着物を着ることが求められるのに対し、煎茶道の場合はワンピースなどそこまで堅苦しくない平服でも構わないとのこと。

お茶が供される茶室も、抹茶道の場合には小さなにじり口のある四畳半が基本であるのに対して、煎茶道は野点(のだて)をはじめ、応接間にお客様を招き、そこで煎茶を振る舞うという流れ。そのため、煎茶道は人々の生活になじみ深い文化となっていったそう。

おなじみのものが多い、煎茶道の道具たち

「煎茶道の道具は、普段使いができるものも多くあります。実家などで湯冷ましを使っているお宅も多いのでは。まずは茶器から慣れてみるのもいいかもしれませんね」

煎茶道で使用する、代表的な道具はこちら!

●煎茶碗:普段お茶を飲む茶碗より小ぶりで、飲み口が外側に反っているのが特徴
●茶托(ちゃたく):茶碗の下に敷く受け皿。流派により呼び名が異なる
●宝瓶(ほうひん):取手のない急須。玉露や煎茶のように、低温でお茶を入れるのに適している
●湯冷まし:お茶を淹れるためのお湯を冷ます器
●茶壺:茶葉を保存する筒。ただし容量はあまり多くなく、数回分程度を入れておくもの

これらの茶器を使って、以下の流れでお茶を注いで楽しむそうです。

お点前の簡単な流れ(玉露の場合)

1:あらかじめ、宝瓶と茶碗にお湯を注ぎ、温める。
2:湯冷ましにお茶を淹れるためのお湯をとり、温度を下げる。
3:宝瓶と茶碗のお湯を空け、茶碗は茶巾で拭う。
4:茶壺から茶葉を宝瓶に入れ、お湯を注ぐ。
5:茶葉が開くのを待ち、茶碗に注ぎ分ける。

マナーが良く見える、お茶のいただき方

煎茶道のマナーは、テーブルでお茶を飲むときにも使えるとのこと。これを覚えておけば、目上の人とお茶を飲むときにもお行儀が悪いと思われずに済みそう!

【煎茶道のマナー】

●一煎めのお茶を飲み終わるまでお菓子には手をつけないのが決まり。
(対して抹茶道では、お菓子を先にいただくのがルール)
●左手を茶托に添え、右手で蓋のつまみを持つ。
●自分の側からそっと蓋を開け、右回しで蓋を取り、蓋についたしずくを茶碗の内側に落とす。
●蓋を裏返して、両手で茶碗の右側に置く。
●左手を茶托に添えながら、茶碗の飲み口より少し下あたりを右手で取る。
●茶碗を左手の手のひらの上に移し、両手でいただく。

「煎茶道は今でいう異業種交流会のように、色々な職業の人がお茶と会話を楽しむ場で発展してきました。古くから伝わる美しい文化と、今の時代のものとを掛け合わせて味わうこともできるので、ぜひ一度体験してみてくださいね」

ちょっとした外出着で参加できるという煎茶道。さっそく次の休日に体験をしてみたくなりました。春に始める新しい習い事として、始めてみてはいかがでしょうか?

取材協力:三癸亭賣茶流 広報 島村満穂さん

一般財団法人煎茶道三癸亭賣茶流 3代目家元である島村仙友の娘として幼い頃から煎茶道に親しむ。化粧品会社勤務等を経て現在は三癸亭賣茶流 広報として東京と広島を拠点に活動中。2016年春、テーブル専門の煎茶道教室「MY SENCHA SALON」を表参道にOPEN。流派が大切にしている「いつでも、どこでも、だれでも出来る煎茶道」をもとに現代風にアレンジされた日常で実践しやすい点前の普及に努めている。

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