月経前症候群(PMS)は治せる? 正しい知識と対処法

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ウレハダ編集部

月経前症候群(PMS)は治せる? 正しい知識と対処法

体がだるく感じたり、必要以上に気持ちが落ち込んだり…。生理前になると、心と体にさまざまな不調が表れる「月経前症候群(PMS)」。何か対処法はあるのでしょうか?

女性特有の悩みであるPMSの対処法を、婦人科・エイジングケア専門の成城松村クリニック・松村圭子院長に聞きました。

PMSってどんな症状なの?

「個人差が大きく、症状は200~300ほどもあるといわれています。身体的なものはむくみや頭痛、腹痛、便秘、肩こりなどが多く、精神的なものはイライラしやすい、落ち込む、抑うつ状態などが挙げられます」

症状が表れている期間はどれくらいなのでしょうか?

「これも個人差がありますが、一般的には1週間ほど。長いと2週間続くという人もいます」

PMSを緩和する方法は?

2週間というと1カ月の半分は悩まされているということに…。では、PMSを緩和するために、自分でできることはあるのでしょうか?

「まずはその日の心や体の状態について、簡単な日記をつけてください。自分はどれくらいでPMSが始まるのか、どんな症状があるのかが把握できます」

症状には個人差があるので、自分の体を知ることが緩和のための第一歩だそうです。

「PMSの時期や症状を把握できたら、その期間は忙しくならないように仕事を調整し、不要不急の用事を避けるなどしてリラックスできる環境を整えましょう。特にこの時期は、心身ともに不安定になりやすく、仕事や学校の友人関係でトラブルを抱えやすくなります」

さらに、自己管理ができれば不要なストレスを減らすことにもつながるそう。

「精神的に落ち込む傾向はありますが、『PMSのせいであって自分のせいではない』ということを自覚しましょう。思うように動けないことで自分を責めてしまうと、症状が悪化して、さらにつらくなってしまいますよ」

薬の服用は?

それでもまだ症状が重いと薬を使用したいところですが、PMSのための薬はあるのでしょうか?

「PMSの症状はさまざまなので、ご自分の症状に合ったものを服用しましょう。頭痛や腹痛があるなら鎮痛剤、イライラして寝つきが悪いときは入眠剤などがあります。ドラッグストアで販売されているものもあるので、薬剤師に症状を伝えて相談してみてください」

「PMSの症状を緩和する市販の薬には、『チェストベリー』という西洋ハーブが使われています。特別気にするような副作用はありません。ただし、人によっては合わない場合もありますから、そのときは使用を中止してください」

東洋医学に基づいた漢方薬もPMSには有効でしょうか?

「症状や体質によって処方する漢方薬の種類はさまざまです。漢方は『気・血・水』のバランスを整えて改善していくものですから、だいたい1~2カ月ほど服用すると効果が表れてきます。症状の改善が見られないときは、合っていないということなので、別のものを服用しましょう」

漢方薬の処方はとても複雑で、プロはその人の歩き方や表情なども見て処方を考えるそう。そのため、漢方薬を希望する場合は、必ず漢方医のいるクリニックや薬局に相談しましょう。もし市販薬でも改善されないときは、やはり病院に行くべきですか?

「PMSは仕事やプライベートで支障をきたすこともありますので、自己改善でも市販薬でもダメなようであれば、一人で抱え込まずに病院へ行くことをオススメします」

まずは自分の症状を把握して体を労ること。つらい場合は薬を飲んだり病院へ行ったりして対処しましょう。PMSに振り回されない快適な毎日を送りたいですね!

取材協力:成城松村クリニック 院長 松村圭子先生

広島大学医学部卒業。婦人科・トータルエイジングケア専門の成城松村クリニック院長。西洋医学の枠にとらわれず、漢方などの東洋医学や、点滴療法、オゾン療法などさまざまな領域を取り入れた女性のためのトータルサポートを行っている。

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