美しい肌を保つために欠かせないのがビタミンC。サプリメントやドリンクで摂取している人も少なくありません。ただし、ビタミンはとても繊細で壊れやすい成分なので、効率よく摂ることが重要なポイント!
『肌のためにはビタミンC!』とよく聞きますが、肌への効果はどのようなものがあるのでしょうか? 肌とビタミンCの関係について、めぐろ皮膚科クリニックの深野祐子院長にお聞きしました。
「ビタミンCには老化を防ぐ抗酸化作用、紫外線を浴びたときに起こる皮脂の酸化防止やメラニン生成の抑制、コラーゲンを作って維持する働きがあります。つまり、アンチエイジングや美白、ハリを保ってシワを防いでくれる効果があるので、肌にとって欠かせない重要な成分です」
肌にとってビタミンCはうれしいことづくめの成分ですね! どんどん摂取したいところですが、その方法にはいくつかポイントがあるそうです。
「食事から摂取する場合は生野菜や果物がいいでしょう。ビタミンCは熱を加えると壊れてしまうため、調理をすると効果が期待できません。また、グレープフルーツやオレンジといった柑橘(かんきつ)類、ハーブには紫外線を取り込んでしまう作用もがあるため、外出前よりも帰宅後の摂取がオススメです」
壊れやすく繊細なビタミンC。効率よく取り入れるためにはどうすればいいのでしょうか?
「ビタミンCは熱で壊れてしまうだけでなく、体内に取り込んでもすぐに排出されてしまう成分。効率的に摂るためには、一度にたくさんではなく、こまめに摂取することが大切ですね」
食べ物の以外にも、化粧水にもビタミンCが含まれているものもありますが、肌から体内に取り込む場合はどうすればいいでしょうか?
「ビタミンCは非常に安定性が悪く、皮膚から吸収されにくい性質があります。肌に塗る場合は、不安定なビタミンCを効率よく吸収できるように『誘導体化』したものがオススメです。水溶性か脂溶性のビタミンC誘導体を選びましょう」
食事からでも肌からでも、摂取の際は注意が必要なビタミンC。「とにかくたくさん取り入れなきゃ!」と、考えている方もいるのでは? しかし、大量に摂取すると逆に悪影響なことも…。
「ビタミンCに限らず、ビタミン類を過剰に摂取することはオススメできません。ビタミンCは体外へ排出されやすい成分ですが、摂りすぎると胃腸障害を起こすことも。また、ビタミンAやD、E、Kといった脂溶性ビタミンは、肝臓に蓄積して『過剰症』と呼ばれる症状を引き起こす可能性があります。具体的な症状は、脱毛や皮膚のひび割れ、乾燥、頭痛、食欲の減退、吐き気、高カルシウム血症などが挙げられます。過剰に摂取することは避け、少しずつでも継続的に摂るようにしてくださいね」
また、サプリメントは食事で不足しがちな成分を補う役割。基本は毎回の食事からこまめに摂取することを心がけましょう。
効率よく摂るには少しだけコツが必要ですが、ビタミンはその名のとおり肌にはなくてはならない成分。特にこれからは紫外線など肌ダメージが多くなる季節です。ビタミンを上手に摂取して、肌ダメージを軽減しましょう!
一般皮膚科診療から美容皮膚科診療まで幅広く対応する「めぐろ皮膚科クリニック」の院長。丁寧な診察とわかりやすい説明で、「お肌のかかりつけ医」として多くの患者さんに親しまれている。
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