薬膳茶師が伝授! 猛暑の体調不良を和らげる、夏の薬膳茶

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ウレハダ編集部

薬膳茶師が伝授! 猛暑の体調不良を和らげる、夏の薬膳茶

暑さで体力が奪われる夏。室内に入ると、エアコンの冷たい風で体が冷やされ、だるさなどの体調不良に悩まされる方も多いのではないでしょうか? そんなとき、薬膳のパワーで体調を整える方法もあるんです。

今回は、体調を崩しやすい夏を元気に乗り切るための薬膳茶について、薬膳茶師の田島庸喜(のぶよし)さんに教えていただきました。

夏の体調不良は「邪気」のせい!?

夏ならではの体調不良というと、どのような症状が挙げられますか?

「暑くて湿度が高い夏は、体の中の熱を外に発散しにくい季節。熱が内側にこもるため、体のあちこちに不調が起きて、夏バテする人が増えます。胃のむかつき、食欲不振、代謝の悪化、むくみ、エアコンの冷気による冷え、疲れやすさ、不眠などが代表的な症状です」と田島さん。

東洋医学では、暑さや寒さなどの気候の変化を「風・寒・暑・湿・燥・火」の6つに分類しています。これらは「六気(ろっき)」と呼ばれ、四季に応じて正常に働いていれば、私たちの体はそれに順応していきます。しかし、猛暑や冷夏など気候の極端な異常変化は体に不調を引き起こすきっかけとなり、東洋医学ではこれを「邪気(じゃき)」と呼んでいます。

「夏の体調不良を引き起こすものに、湿気による『湿邪(しつじゃ)』、暑さによる『暑邪(しょじゃ)』があります。『湿邪』が胃に入ると、胃のむかつきや食欲不振などを引き起こします。また、水はけが悪くなるので、むくみにも繋がります。『暑邪』が体内に入るとほてりやすくなるほか、疲れを感じやすくなります。これらの邪気を取り払うために取り入れたいのが薬膳茶です」

夏にオススメの薬膳茶とは?

田島さんの提唱する薬膳茶は「香り」がポイント。

「お茶とフレグランスはまったく同じ考え方。自分が好きな香りのお茶は、つまり摂取すると体によい作用をもたらすお茶と言えます。特に暑い夏は、好きな香りをかぐことで心を落ち着けるとよいですよ」

また田島さんによると、心を落ち着けるためには花の香りが最適だそう。

「漢方には『養心安神(ようしんあんじん)』という言葉があります。これは『心を養い、精神を安ず』ということ。養心安神におすすめなのは、ハイビスカス、はまなす、バラなどで、主に花の香りにはリラクゼーション効果があると言われます。心を落ち着けるために、香りのよいお花のお茶を選ぶと良いでしょう。ハイビスカスはビタミン豊富で美肌効果が高いことでも知られていますので、日焼けが気になる夏にはオススメです。ハイビスカスなど香りのよいお茶に、陳皮などの柑橘系をブレンドすると夏の薬膳茶に最適です」

田島さんオススメ、夏の薬膳茶

  • ハイビスカス、はまなす、バラ、菊花など、花のお茶
  • 陳皮、マンダリンオレンジ、ゆずなど、お好みの柑橘系

※陳皮などは入れすぎないよう、少なめからブレンドするのがポイント
※柑橘系はハイビスカスと相性がよい

暑い夏こそ、熱いお茶で暑気払い

さらに、暑さと湿気で体調を崩しやすくなる夏こそ、熱いお茶を飲むとよいのだとか。

「昔から中国では『夏こそ熱いお茶を飲んで涼むべし』と言われます。これは熱いお茶を飲んで汗をかき、熱を発散するという考え方です。また、お茶には解毒の力があるとも考えられています」

むくみや食欲不振などの「湿邪」、ほてりや疲れを感じやすい「暑邪」。それぞれどのような薬膳茶が合うのでしょうか?

「『湿邪』が入り込むと体内に余分な水分が溜まり、元気や気力など生命エネルギーである『気』のめぐりも悪くなっていきます。この場合は、水分と気のめぐりをよくする柑橘系など、香りのよいものを摂取しましょう。柑橘系の香りは胃をすっきりさせる働きも期待できるため、食欲不振にも効果的です。また、むくみの原因となる水はけをよくするには、利尿効果がある苦いものがおすすめです。苦瓜、キュウリなどは利尿作用があることで知られています。柚子などの柑橘系もむくみ解消によいですよ。

また、疲れを感じやすい『暑邪』には、マンダリンオレンジ、かぼすなどを。酸味のあるクエン酸系統のものは疲労回復にオススメです。ほてりの場合には、自分好みの緑茶、発酵度の低めのお茶である白茶や烏龍茶、または麦茶が、からだの熱を清める作用があることで知られており、オススメです」

まずは、自分にとって心地よい香りになるように、陳皮などの柑橘系をブレンドするとよいそうです。好みの香りを見つけることから始めて、夏を乗り切る薬膳茶を楽しく気軽にブレンドしてみましょう。

取材協力:薬膳茶師 田島庸喜さん

東洋哲学から板前へと転じ、さらには北京中医薬大学日本校を卒業後、 漢方医の資格である国際中医師、国際薬膳師を取得。平成19年に東京・広尾の台湾茶専門店「清品茶房茶通」に入社。平成28年に「薬膳茶ラボ」開業。『ティーセラピーとしての薬膳茶』、『茶葉を使った薬膳』など 斬新なお茶のワークショップやセミナーを次々に提案している。

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