「寝酒は眠れない夜に良い」と古くから信じられていますが、近年眠りの質を下げることがわかっています。今まで「眠りに良い」と思っていたものが、実は快眠の妨げになっているかもしれません。
そこで今回は、俗説ではなく、本当に眠りの質を高める飲み物や食べ物について、快眠セラピストの三橋美穂さんに教えてもらいました。
寝る前にお酒を飲むと眠くなるのに、睡眠の質は下がるのだそう。それはどうしてなのでしょうか?
「寝つきはよくなっても眠りは浅く、かつ3時間くらい経ってアルコールが分解されると、交感神経が活性化します。すると、眠りが分断されて疲れが取れなくなるのです」
どうしてもお酒が飲みたいときや、お酒の雰囲気を楽しみたいときは、ノンアルコールビールがオススメとか。
「ビールの主成分『GABA(ギャバ)』には神経を落ち着かせる働きがあります。しかも、アルコールフリーであれば、睡眠を阻害する要素がないので、睡眠によい効果をもたらすという研究結果も出ています」
アルコールだけでなく、もちろんカフェインを含む飲み物も、就寝前は控えましょう。
「コーヒー以外にも、紅茶や緑茶、栄養ドリンク、ココアにも含まれているので注意してください。通常ならカフェインの覚醒作用は4時間程度ですが、冷えた飲み物は体内でゆっくりと吸収されるので、作用時間が長くなります。できれば夕方以降の摂取は控え、ノンカフェインのハーブコーヒーやハーブティーなどを飲むとよいでしょう」
寝つきにくい理由はさまざま。そこで、シチュエーションごと就寝前オススメドリンクを三橋さんに教えてもらいました。
「私たちの体は、高くなった深部体温の熱が体の表面から放熱されることによって眠くなります。眠くてトロンとした子どもの体はポカポカと熱くなっていますよね。目指すのは、この状態。深部体温を上げるために、飲み物は必ず温めましょう。暑さで寝苦しいときの麦茶は、常温にしてください。キンキンに冷えた飲み物は寝つきが悪くなるのでNGです」
三橋さんによると、飲み物だけでなく食べ物にも気をつけることで、より高い質の睡眠を取ることができるのだとか。
「健康にいい食事は、睡眠の質を上げる効果があります。私のオススメは『カタカナ食』を『ひらがな食』に置き換えること。パンをご飯に、パスタをうどん、サンドイッチをおにぎりという具合に変えていくだけ。もう一つ取り入れたいのが、『まごわやさしい』というキーワード。和食のメリットが凝縮されたこの2つを実践していただくと、疲れにくくなり、朝の目覚めが良くなります」
ま…豆類
ご…ごま(種実類)
わ…わかめ(海藻類)
や…野菜
さ…魚
し…しいたけ(キノコ類)
い…いも類
「特定の栄養素だけを摂れば眠れるというわけではありません。脂質が少なく、食物繊維やビタミン、ミネラルがバランスよく摂れるからこそ、和食は睡眠の質を上げる理想的な食事なのです」
「ひらがな食」は、今日からすぐにでも取り入れられる身近な食材ばかり。三橋さんご自身も、これらを実践し始めてから1カ月ほどで体調が改善したとか。美容と健康、そして睡眠のためにも、普段の食生活ではバランスのよい和食中心のメニューを心がけてみてくださいね。
快眠セラピスト・睡眠環境プランナーとして、全国での講演活動やコンサルティング、快眠グッズのプロデュースなど睡眠関連事業に広く携わる。睡眠を多角的にとらえた実践的なアドバイスや快眠メソッドに定評あり。近著に『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』(かんき出版)、『脳が若返る快眠の技術』(KADOKAWA)などがある。
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