家の中にも手軽にグリーンを! 苔ボトルを作ってみよう

著者プロフィール画像

ウレハダ編集部

家の中にも手軽にグリーンを! 苔ボトルを作ってみよう

みなさんは「苔ボトル」をご存じですか? 「苔ボトル」とは、透明なガラス容器に苔を入れて楽しむものです。おうちにグリーンのある生活は素敵ですが、植物はお手入れが大変なイメージも…。

「『苔ボトル』なら、誰でも簡単に育てられますよ」とほほ笑むのは、『苔ボトル 育てる楽しむ癒しのコケ図鑑』(電波社)の著者・戸津健治さん。その作り方をお伺いしました。

苔の魅力を引き出す「苔ボトル」

「苔は誰もが目にしたことのある身近な植物。よく見ると小さな葉がたくさんついており、とてもミクロな世界が存在しています。これまで盆栽や山野草では脇役として使われてきましたが、主役にすることで、きっと苔の魅力が再発見できますよ」

苔は紀元前から存在しており、とても生命力が強い植物だそう。そのため、植物を育てるのが苦手な人にもオススメとのこと。では、さっそく苔ボトルの作り方を教えてください!

準備するのはたった3つのアイテムだけ!

「用意するものは容器と土壌、そして苔です。あとは流木などの装飾物を好きに取り入れてもよいでしょう」

使うアイテムを選ぶうえで大切なことはありますか?

「容器には、厚みがない透明なガラスのものを選びましょう。厚みがあると中がゆがんで見えてしまいます。土壌に決まりはありませんが、まずは苔と相性の良い『樹皮培養土』を使いましょう。また、苔の種類によってフタをする必要があります。『ハイゴケ』や『シノブゴケ』『コツボゴケ』などの湿度が必要な種類を使う際はフタをお忘れなく。一方、『スギゴケ』『スナゴケ』『ホソバオキナゴケ』などは湿度をあまり欲しがらないので、口の広い通気性のいい容器がオススメです」

どのようなものを作りたいかによって、選ぶものが変わってくるのですね。一緒に入れる装飾にオススメのものはありますか?

「ボトルの中に炭を入れると、空気清浄の効果が期待できますよ。特に『菊炭』という割れ目が菊の花に似ているものだと、見た目がかわいらしくなります。そのほかにも、トルマリン石や流木などお好みで入れてOKですが、たくさん入れすぎると全体がまとまりません。1~2アイテムにとどめましょう」

苔ボトルを作ってみよう

苔ボトル

さっそく戸津さんのアドバイスに従って苔ボトルを作ってみましょう。今回は「スナゴケ」と「気功石」をセレクト。

苔ボトル

つくり方は本当に簡単! 土壌の上に自分の好きなように「スナゴケ」と「気功石」を配置していったら完成です。

苔ボトル

筆者は、ペンギンの人形も置いて、涼しさを演出してみました。我ながらかわいらしい出来に大満足!

カビに要注意! 苔ボトルのお世話

「直射日光を避けて、適度に光が入る場所に置いてください。夏は特に湿度が高いので、涼しい場所に置き、熱がこもらないようにしましょう。水やりは霧吹きで週に1~2回が目安です。苔は湿度のある所に生えるイメージがあると思いますが、カビは大敵です」

水をあげたら、ボトルの内側についた水滴をふき取ると、カビが生えにくくなるそう。もしカビが生えてしまったら、どうすればよいのでしょうか?

「一度カビが生えてしまったら、残念ながら取り除くのは困難。フタつきの容器はこまめに閉めておくといいでしょう。たまに息を吹きかけて、二酸化炭素を与えることで、光合成を促進しましょう。カビが生えにくくなりますよ。また、カビが生えてしまった場合は、一度容器の中を乾燥させます。苔は一度乾燥させても霧吹きで水分を与えると、また青々と育ちますので安心してください」

とはいっても、失敗することはほとんどないとのこと。植物を育てるのは苦手だけれど、部屋にグリーンを飾りたい方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

取材協力:戸津健治さん

1971年東京浅草生まれ。幼少の頃より蘚苔類に興味を持ち、ガラスケースや水槽を使ったアクアテラリウムを制作しながら、苔を活用したグリーンインテリアを提案する傍ら、苔ボトルに使える苔の生産も行う。年間で300を越える苔の自生地を訪れては様々な種類に触れ、日本と海外の苔類を常に研究している。

この記事に関するカテゴリ