現在では夏のみならず、年中欠かせないお手入れの一つが、紫外線対策。肌が日焼けしないよう、日焼け止めやUVカット機能のある美容液などを塗るのはマストですが、実は髪の毛も日焼けでダメージを受けてしまうのだとか…。
そこで今回は、南青山の美容院「CLARICA&STRAMA(クラリカ アンド ストラマ)」のトップデザイナーである高橋唯子さんに、髪の毛の日焼け対策について伺いました。
髪の毛が日焼けすることで、具体的にどんなダメージがあるのでしょうか?
「ドライヤー以上に紫外線からのダメージは大きく、髪の毛が日焼けすることでキューティクルが剥がれて硬化したり、タンパク質が流出して弾力がなくなったりします。乾燥してツヤがなくなると、パサつきや切れ毛、枝毛が増えてしまいます。カラーやパーマをしている方は、表面ダメージが進行し、色が抜けてしまうことも。何より、髪の毛の老化が進み、抜け毛や薄毛、白髪の増える原因となります」
どんな髪質でも、日焼けには注意しなくてはならないそう。まさか日焼けで髪が老化するとは…!
では、具体的にどのような紫外線対策を取ればいいのでしょうか?
「UVカット機能がついた髪用のトリートメントやスタイリング剤、スプレーが売られています。それらを使って、髪の内側や表面から日焼け対策をすることがおすすめです。スタイリング剤やスプレーは、外出前にまんべんなく全体につけてから、ブラシでとかすとムラがなくなるので、より効果が高まります。髪につける頻度は、使うものによって異なってくるので、注意書きなどで確認してください。
また、UVカット機能がついたトリートメントを使用する場合は、シャンプーをする前に水で髪を洗い流す”予洗い”を丁寧に行いましょう。トリートメント効果がより高まりますよ」
ヘアトリートメントなどを買うときは、UVカット機能があるか確認してみましょう。どれにしようか迷ったら、美容院で相談するのも一つの手だそうです。
「また、髪の毛の日焼け対策として、外出時には帽子をかぶりましょう。UVカット機能がついた商品であれば、表面は何色でもいいのですが、内側は地面からの照り返しで、さらに紫外線を浴びてしまう可能性もあるので、白色や薄い色は避けるのが望ましいです。または日傘を差すことをオススメします。日傘の選び方も帽子と同様です」
高橋さんによれば「午前10時~午後2時の4時間分の紫外線は、1日の紫外線量の半分に当たる」のだとか。紫外線の強い時間帯の外出は、極力避けたほうがよさそうです。
もし、すでに日焼けしてしまった場合は、髪にどのようなアフターケアをすればいいのでしょうか?
「キューティクル保護効果のあるダメージケア用のシャンプーでケアしてください。また頭皮が日焼けした場合は冷水をかけて冷やしたり、保冷剤などで冷やしたりして、そのあと化粧水やローション、乳液やオイルを塗って保湿しましょう。頭皮専用のローションであればベタつきが少なくて済みますが、なければ普段、肌に使用している化粧水を頭皮につけても大丈夫です。ただし、美白成分やアルコールが入っているものは刺激が強めなので、使用は注意してください」
保湿の浸透力を高めるためには、全体になじませるように少しずつ、優しく塗るのがポイントのよう。ちなみに、マッサージは刺激を与えるのでしないほうがよいそうです。
「頭皮がヒリヒリする、フケのような鱗屑(りんせつ)が浮き上がるといった炎症が起きている場合は、抗炎症作用のある化粧水を塗るといいですよ。我慢できないほどの痛みや浸出液が出るほどの炎症であれば、かかりつけの皮膚科医に相談してください。とはいえ、頭皮の地肌ケアはできても、髪の毛は一度ダメージを受けると自ら修復する力がありません。髪が日焼けをしないよう、事前のケアに力を入れるほうが効果的です」
まだまだ日差しの強い時期は続きます。肌だけでなく、髪の毛の紫外線対策にも注力してみましょう!
国際文化理容美容専門学校卒業。意識の高いヘアデザインを生み出し、女性のかわいらしさを見つけるのが得意。ヘアケアチームリーダーとして、豊富な知識量と的確な診断により、お客様からも高い支持を得ている。