ひどいかゆみ、皮のめくれ、水疱…その手荒れ、「手湿疹」かも?

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ウレハダ編集部

ひどいかゆみ、皮のめくれ、水疱…その手荒れ、「手湿疹」かも?

乾燥が気になる時期に、手の皮がボロボロになったりかゆくなったり…。でも「後でクリームを塗ればいいや」と思って、放置していませんか? その手荒れ、もしかしたら「手湿疹」と呼ばれる症状かもしれません。手湿疹の症状や対処法を、めぐろ皮膚科クリニックの深野祐子院長にお聞きしました。

ひどいかゆみに赤み、カサつき…手湿疹の症状と原因は?

手湿疹は別名「主婦湿疹」ともいわれ、主婦の方に多いそうです。一体なぜ、手湿疹を発症してしまうのでしょうか。

「手湿疹は、皮膚のバリア機能が低下して、外部からの刺激を受けやすくなることで発症します。手の表面には皮膚を守る皮脂がありますが、これが取れすぎてしまうと少しの刺激でも炎症や湿疹を起こしやすくなってしまうのです。特に、頻繁に食器を洗ったり洗濯をしたりする主婦の方などは、水やお湯によって手の皮脂が取れやすく、発症しやすいといわれています。また、仕事などで紙や段ボールといった紙製品を扱う人も、紙が皮脂を吸収してしまうので発症しやすいでしょう。ほかにもアトピー性皮膚炎の患者さん、乾燥肌の人にも生じやすいですね」

また、手にできる湿疹は、上記以外にもさまざまなものがあるそうです。

「手の一部がかゆくなる、赤くなってカサカサするなど、手に起こる湿疹にはさまざまな症状のものがあります。そのなかでも比較的多いものが『異汗性湿疹(いかんせいしっしん)』、いわゆる汗疱(かんぽう)と呼ばれるもので、細かな水疱(すいほう)ができて、その後に皮がむけ、激しいかゆみをともなう場合も」

手湿疹を悪化させない&防ぐためのカギは保湿!

では、手湿疹を発症してしまった場合、どうすればよいのでしょうか?

「発症してしまった場合はまず悪化させないよう、水、洗剤、紙を直に触れないように注意してください。食器を洗うときにはゴム手袋を着用しましょう。洗剤を低刺激のものに替えるのも手です。紙を扱う場合には軍手を着用してください。軍手だけだと摩擦などで手が荒れてしまうという人は、軍手の下にシルクなど、肌にやさしい素材の手袋を着用しましょう。また、かゆいからと手でかいてしまうのは厳禁! さらに悪化してしまいます」

かゆみの防止はもちろん、手湿疹を未然に防ぐために大切なのが、日々のこまめな保湿だそうです。

「かゆみを感じたり水や紙に触れたりしたら、すぐに保湿クリームを塗って乾燥を防ぐことを習慣化しましょう。塗り過ぎるということはありませんので、特に水や紙に触れていなくても『手が乾燥したかな』と感じたら、こまめに塗るのがオススメです」

また、手湿疹は夏~秋口に多いものの、季節が変わると自然に治まりやすいため、放っておく人もいるようですが、やはり病院で診てもらったほうがいいのでしょうか?

「時期が過ぎると自然に症状が軽くなることがありますが、かゆみがひどかったり皮むけが気になったりする人は病院へ行きましょう。炎症にはステロイド外用がとても効果的です。毎年つらい症状に悩まされている人は、症状がひどくなる前に受診して処方してもらうことをオススメします」

これから乾燥が気になる季節…つい保湿を忘れやすいですが、手は乾燥しがちな環境に置かれています。手湿疹を発症していないという人も、未然に防ぐためにこまめな保湿ケアを心がけましょう。

取材協力:めぐろ皮膚科クリニック 院長 深野祐子先生

一般皮膚科診療から美容皮膚科診療まで幅広く対応する「めぐろ皮膚科クリニック」の院長。丁寧な診察とわかりやすい説明で、「お肌のかかりつけ医」として多くの患者さんに親しまれている。

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