花のある暮らしは、毎日にうるおいと彩りを与えてくれますよね。お祝いや記念日でプレゼントされる花束やブーケもいいものですが、特別なものではなく、自分自身のために、自分の好みでお花を買う生活も素敵です。
そこで今回は、東京・神楽坂にあるフラワーショップ「ジャルダン ノスタルジック」のフローリスト青江さんと加藤さんに、花を選ぶ・飾るコツなどをお聞きしました。
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贈りものではなく、生活のために花を買い、飾ることのよさとは、どんなものでしょうか?
「色とりどりの花を見て、飾るだけで気分が上がる人も多いと思います。自然に漂うほのかな香りはリラックス効果もあり、癒しになりますからね。そして、花は買って最後ではなく、花瓶に生け直し、翌日からは毎日水を替えてあげないといけないもので、多少手がかかるものです。手をかけてあげるには、そのための時間を作る必要がある、つまり心に余裕がないとできません。花を買い、ケアをする時間を持つことで、今の自分は心のゆとりがあるか、どうしたら心のゆとりを持てるのか、チェックするきっかけにもなるんです」
花を買ってきたはいいけれど、素敵な花にそぐう花瓶がないことで二の足を踏む人も多いかもしれません。どんな花瓶を用意しておけばいいでしょうか?
「花との相性を考えると、オールマイティな花瓶は透明または、茶や単色など無彩色のガラスです。どんな色の花やグリーンともなじみます。サイズは背の高いもの向き、茎を短く切ったもの向き、一輪挿し向きの3タイプがあると、生けるときに悩むことが減ると思います」
インテリアショップを見ていると、デザインの凝った花瓶も素敵で憧れます。やはり初心者には難しいのでしょうか…?
「色や柄入りのものなど、デザイン性の高い花瓶を使いたいときは、その花瓶で使われている色を花にも取り入れると、統一感が出てしっくりとまとまりますよ。ファッションやインテリアにも通じる法則ですよね」
また「たとえば、ワイン瓶やジャム瓶など、デザインで気に入ったものがあれば取っておくと意外に使えることもある」そう!
花瓶を用意したら、あとは花を生けるだけ! とはいえ、せっかく買ってきたお気に入りの花…どうすれば長持ちさせられますか?
「茎の先には汚れや菌が少しずつ付着しているので、放置しておくと詰まってきます。汚れなどでつまってしまうと茎から水を吸い上げにくくなり、花の元気がどんどん失われていきます。そのため、できれば毎日、花の茎の先を5ミリ~1センチ切ってあげてください。もちろん、水も毎日替えてくださいね」
きちんと手入れをすれば、切り花は1週間以上も長持ちするそうです。また「花とグリーン専用のはさみがあると、きれいに切れるので便利」だとか。
最後に、定期的に花を買いたいけれど、お花は高いイメージがあって敬遠してしまう人に向けて、低価格でも見栄えがする花を教えてもらいました。
「以下の写真のように、一つの茎から葉や花が左右に何本も伸びるタイプものはボリュームが出て、見映えがします。また、誰もが知っているようなガーベラやチューリップ、カーネションなど花の輪郭の大きいものは低価格でも目立つので、少量を買ってきて生けてもいいでしょう」
花のある生活に対するハードルが、少し下がってきました。好きな花を好きなときに好きなだけ…気負わず自然に自分らしく、花のある生活を始めてみませんか?
季節の花とグリーンをはじめ、海外のアンティーク雑貨、手作りお菓子なども扱う。ヨーロッパの街角の花屋のようなインテリアながらどこかレトロで懐かしく、ぬくもりを感じさせてくれる。店内のサロンスペースでは、アレンジメントのレッスンを定期的に開催。『ドライフラワーの飾り方』(誠文堂新光社刊)にも掲載されている。
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