体調が悪いと顔色が変わるように、足裏の状態も体調によって変化するというのを、ご存じですか? プロが見ると、一目で健康状態がわかるのだとか。そこで、足裏からわかる体の不調や、どうすれば理想の足裏になれるのかを、足裏コンシェルジュ・宮地裕子さんに聞いてみました!
「よくある足裏は、かかとが乾燥しているタイプです。実は、かかとと骨盤は相互に影響しあっていて、骨盤周辺の血流が悪いと、かかとが乾燥してしまいます。土踏まずがコリコリして硬いのは、胃腸の調子が悪く、老廃物が溜まっている証拠。また、足裏だけでなく、タコの状態でも健康状態がわかります。たとえば、足の小指の付け根にタコがある人は親指の踏ん張りが弱いため、頭を安定させようと肩に力が入ってしまい、肩こりにお悩みの方が多いんですよ」
宮地さんによれば、舗装された地面は足裏をさほど使わなくても歩けてしまうので、現代人は足が退化しているそうです。それで、立ったり歩いたりするときに足裏に痛みが発生することも…。なかでも多いのは、足の指を使わずに歩いている人です。使わなければ神経も働かなくなるため、目隠しをした状態でどの足の指に触っているか当てようとすると、かなりの確率で外れてしまうのだとか!
「理想の足裏は、大自然の中を素足でもスムーズに歩けるような状態です。デコボコした道を歩くには、筋力をバランスよく使い、足の指をしっかりと動かさなくてはなりません。健康的でない足裏の人が素足で歩くと、足裏に痛みが生じたり使う筋肉が偏ったりして、ひざや腰、股関節などにダメージを与え、体がどんどん歪んでしまいます」
では、理想の足裏になるにはどうすればいいのでしょうか?
「立った状態で、しゃくとり虫のように足の指だけを動かして前進する体操をしてみましょう。ポイントは思いっきり力を入れることです。意外と難しいので、最初のうちは30秒程度で構いません。一度やると筋肉が3~4時間感覚を覚えているので、足指の神経にスイッチが入った状態になる朝に行うのが効果的です。ちなみに、足の指をきちんと使うことは、下垂していた内臓を引き上げるなどインナーマッスルを鍛える効果もありますよ」
足指の体操に加え、足にとっていい靴を履くことも大切だと言います。宮地さんは、体にいい靴のことを“貯金靴”、体に悪い靴のことを“借金靴”と名付けています。
「靴底を英語でいうと、ソール(Sole)。魂のソウル(Soul)と発音がほぼ同じです。そのため、『ソールを整えると、ソウルが整う』という言葉があるほど、靴は大切だといわれています。とはいえ、“借金靴”を履くなとは言いません。1週間のなかで、“貯金靴”と“借金靴”でバランスを取り、少しでも足にとってプラスの習慣を心がけてみてくださいね」
足に負担をかけない“貯金靴”の見極め方は、次の通り。
「靴選びを間違っている方は少なくありません。オーダーの靴であっても、自分に合わせてさらに微調整するもの。既成品であれば、インソールなどで調整をするのが当たり前だと思ってください」
理想の足裏になるために、靴がこんなにも重要だったとは…! 健康のために、まずは靴から変えてみては?
東京・浅草橋にある「足の痛みお悩み専門店クイスクイス インソール」のオーナー。学生の頃、体が弱く胃腸・腎臓に不安を抱えていた。そんなとき、父が開発を始めたインソールを試してみたところ、胃腸の調子がびっくりするほど改善!以来、足の研究・トレーニングメソッドの開発・インソール等ツール開発している。
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