自分に合うパンプスを見つけることができず、足の痛みに耐えながらおしゃれしている方は少なくありません。ここでは、足の痛くならないパンプス選びのコツや、無理せず美しく履きこなすためのポイントを伝授します。
パンプス選びを失敗しない方法を、足と靴と健康協議会・事務局長の木村克敏さんに教えてもらいました。
まずは、女性に多い足のトラブルを調査! 30代~40代の女性たちが抱えている足の悩みトップ3をご紹介します。
※一般社団法人 足と靴と健康協議会調べ
1位 外反母趾(がいはんぼし)
「親指が小指側に向かって曲がってしまい、炎症を起こしている状態。付け根の部分が出っ張るため、靴で圧迫されて痛みが出ます」
2位 内反小趾(ないはんしょうし)
「外反母趾と併発することが多く、小指が内側に曲がっていく状態をいいます。痛みを伴うことが多いのも特徴です」
3位 ハンマートゥ
「『槌状趾(ついじょうし)』とも呼ばれる『ハンマートゥ』は、足の指の関節が“くの字”に曲がったままの状態に変形している状態です。曲がった部分が靴の上部に当たってタコができてしまい、当たる部分に痛みを伴うことがあります」
お店で必ず試着しているのに、足のトラブルを抱えてしまう…というケースもあります。ぴったりな靴を選んだはずでもトラブルになってしまう原因はどこにあるのでしょうか?
「第一にそもそもサイズが合っていないことが考えられます。フィッティングの際に椅子に座ったまま、店内を歩かずに購入を決めてしまう方もいますよね。このような試し履きは、自分の足に合っていると思っても、実は正しいサイズではないことがあるので注意してください。また、加齢による筋力の衰えも影響すると考えられます」
足も年齢とともに変化していくので、徐々に靴のサイズが合わなくなって歩行に影響が出ることもあるのだそう…。
「トラブルを回避するコツは、必ずシューフィッターや店員さんに足のサイズを測ってもらい、大きさの合う靴を実際に履いて店内を歩いてみることです。デザインによっても微妙な差があるので、フィット感を必ず確かめてくださいね」
「まずは、自分自身の足の長さや幅、指先の形などを把握することが大前提。その上でセルフチェックをする場合は、以下のポイントを確認しましょう」
1:かかとが圧迫感なく収まり、パンプスのつま先に1センチくらい余裕があるか
2:パンプスの最も幅の広い部分と、親指と小指の付け根の位置が合っているか
3:パンプスの履き口が足にフィットしているか
4:土踏まずとパンプスのアーチラインがフィットしているか
5:親指や小指が圧迫されていない、あるいは爪が当たっていないか
「少しでも『きつい』『ゆるい』と感じたら、必ず前後のサイズも試着してみましょう。履いたときに違和感があるものは選ばないのが鉄則です」
正しい方法で靴を選べば、足のトラブルを回避することができます。定期的な足の計測と、無理のない靴選びで、年齢を重ねても美しくパンプスを履きこなしましょう。
靴合わせのプロ「シューフィッター」の資格認定養成を行う「一般社団法人 足と靴と健康協議会」において、シューフィッター養成講座の企画運営を行う。自らも上級シューフィッター資格「バチェラーオブシューフィッティング」をもち、講座の講師を行う傍ら、「足と靴と健康」についての講演、講習会などでも活躍中。
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