婦人科医が解説! 生理痛を和らげるためのOK&NG習慣

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ウレハダ編集部

婦人科医が解説! 生理痛を和らげるためのOK&NG習慣

生理痛は痛みに個人差があるため、理解が得られず無理をしがちですよね。生理痛を軽減する習慣や薬の摂取について、婦人科・エイジングケア専門の成城松村クリニック・松村圭子院長に聞きました。

生理痛の痛みの正体「プロスタグランジン」とは?

生理にまつわる不快感には、生理痛とPMS(生理前症候群)がありますが、これらはまったくメカニズムが異なるものだそう。

「生理前にさまざまな不調が起こるPMSは、主に女性ホルモンが急変動することが原因です。対して生理痛は、プロスタグランジンというホルモンが原因です。生理とは不要になった子宮内膜がはがれて経血として体外に排出される働きのこと。プロスタグランジンはこの働きを促進させるために子宮の収縮を促す作用があるのですが、一方で痛みも誘発してしまいます」

生理痛に個人差があるのは、プロスタグランジンの分泌量の違いにあるそう!

「プロスタグランジンの分泌量が多い人ほど痛みも誘発しやすいといえますね。また胃腸にも影響を与えるので、生理時に吐き気や下痢をともなうのも、プロスタグランジンが原因です。生理痛を軽減するためには、プロスタグランジンの分泌を抑えることがポイントとなります」

夏こそ冷えやすい? 生理痛のNG&OK習慣

プロスタグランジンの分泌を活発化させ、痛みを悪化させている生活習慣はあるのでしょうか?

「まず生理痛が悪化する原因に、冷えによる血流の悪さがあります。血流が悪くなるとプロスタグランジンの排出が滞ってしまい、痛みが持続します。これを避けるためには体を冷やさないようにすることが大切です」

「夏場であっても、冷えには要注意」だと松村先生は言います。

「現代は電車内や会社内のクーラーなど、夏でも暑さよりも寒さを感じることが多い環境です。さらに冷たい飲み物や夏野菜などの摂取も体を冷やす原因に。冷え以外には緑茶やコーヒーなども血管を収縮させる作用がありますから、生理中はなるべく避けましょう」

血流をよくするために日常生活でできることはありますか?

インナーマッスルを鍛えることが大切です。筋力をつければ体温が上がり、血流もよくなります。特に猫背は、腹筋の衰えや骨盤の歪みを招いて血流が悪化しがちです。日常でも姿勢に気を付けるだけでかなり変わりますよ。また、筋力をつけるにはタンパク質の摂取が必要ですから、普段からこまめにタンパク質を摂って、適度な運動を心がけましょう」

自分のパターンを把握して、痛みが本格的になる前に薬の服用を

ひどい生理痛は薬を服用することもあると思いますが、薬を選ぶときの注意点があるそうです。

「鎮痛薬の成分にはいろいろな種類がありますが、生理痛の原因であるプロスタグランジンを抑える効果のある薬を選びましょう。薬剤師さんに相談して選ぶといいですよ。ただし薬を服用しても痛みがひどい人は、子宮筋腫などの疾患の可能性もありますので、病院へ行くことをおすすめします」

松村先生によると、「痛みに耐えられなくなってから服用する人がいますが、それでは遅い」そう。

「生理痛は個人差がありますが、『初日がつらい』『2日目がつらい』などのパターンはだいたい決まってくるもの。痛みが本格的になる前に服用すれば、生理痛をかなり抑えることができますよ。痛くなりそうだと感じたらすぐに服用しましょう」

辛い生理痛ももしかしたら自分の悪習慣が招いているかもしれません。一度、生活習慣の見直をしてみてはいかがでしょうか?

取材協力:成城松村クリニック 院長 松村圭子先生

広島大学医学部卒業、同産婦人科学教室入局。2010年、婦人科・エイジングケア専門の成城松村クリニックを開院。西洋医学の枠にとらわれず、漢方などの東洋医学や、点滴療法、オゾン療法などさまざまな領域を取り入れた女性のためのトータルサポートを行っている。

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