おしゃれに気を遣う女性たちが楽しんでいるネイルアート。最近は持ちがいいジェルネイルも一般的になっています。しかし、ジェルネイルを長期間つけ続けると、さまざまな爪の病気を引き起こすことも…。
そこで今回は、めぐろ皮膚科クリニック院長の深野祐子先生に、ジェルネイルによって起こりやすい爪のトラブルと予防法を伺いました。
「ネイルで起きる代表的なトラブルのひとつが、爪の一部が黄緑色や緑色に変色してしまう『グリーンネイル』です。ジェルが剥がれかけてくると、爪との隙間に水がたまりやすくなります。そこに細菌が繁殖することで、自爪が変色してしまうのです」
「爪が皮膚から剥がれて浮き上がってくる病気です。ネイルリムーバーによる皮膚のかぶれや細菌感染による皮膚の炎症が原因となって起こります」
「ジェルネイルを塗る前やオフした後に、ヤスリで爪の表面を削る方は要注意。これを繰り返し行うことで、爪が折れたり割れやすくなったりします。また、リムーバーによって爪が乾燥することも自爪が弱くなる原因です」
ネイルを長期間つけ続けることには、こんなに怖い落とし穴があったのですね。とはいえ、手元のおしゃれも楽しみたいのが女心。ネイルをしながら爪の健康を保つためには、どんなことに気をつけたらよいでしょうか?
「何よりも重要なのは、剥がれかけたネイルを放置したり、無理に剥がしたりしないこと! そういった些細なことが爪のトラブルの元になるので、サロンなどできちんとオフしましょう。また、常にネイルを塗って過ごすのではなく、時々は爪を休ませることもポイントです。ジェルネイルは、塗る前やオフのときに爪の表面を削る場合もあるため、繰り返していると爪がどんどん弱くなってしまいますよ」
深野先生によれば、4週間ネイルをして過ごしたら、次の4週間はお休みするなど、できるだけ爪に負担をかけないスケジュールを組むことが爪の健康を保つ秘訣だそう。
「日頃のケアにも気をつけてください。爪切りで弱った爪を切断すると、表面が薄く剥がれて『二枚爪』になることも…。端から少しずつ切るようにして、できるだけ負担をかけないようにしましょう。長さを整えるならヤスリを使うのがオススメ。左右どちらか一方向へ動かすのが爪を傷めないコツです」
ヤスリがけは、つい左右にゴシゴシとこすってしまいがち。ここは要注意ですね。
「さらにオススメしたいのが、爪の根本の保湿です。根本は『爪母(そうぼ)』と呼ばれ、爪が作られる大切な部分。ハンドクリームやオイルを使ってケアしてくださいね」
いずれの予防法も手軽に実践できるものばかり。ちょっとした心がけで美しい爪を保ちつつネイルを楽しみましょう!
一般皮膚科診療から美容皮膚科診療まで幅広く対応する「めぐろ皮膚科クリニック」の院長。丁寧な診察とわかりやすい説明で、「お肌のかかりつけ医」として多くの患者さんに親しまれている。
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