【あったか薬膳レシピ】疲れを改善する“山芋”

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ウレハダ編集部

【あったか薬膳レシピ】疲れを改善する“山芋”

寒い冬は、食卓にあたたかくておいしい薬膳を取り入れて、気になる不調を改善してみませんか? 今回は、「疲れ」を改善する薬膳のレシピをご紹介します。

レシピを教えてくれたのは、料理研究家の植木もも子さん。『体質&症状別40代からの不調に悩む女性のための食べ合わせの本』(日東書院本社刊)など、薬膳に関する書籍も多数出版しています。

疲れているときは、体で何が起きている?

「中医学では、人の体は『気』『血(けつ)』『水(すい)』という3つの要素から成り立っていると考えます。食べ物や空気を取り入れてこの3つを調整し、全身にバランスよく循環させることで、栄養が五臓六腑に行き渡り、私たちの体が元気になるのです」

体が疲れているときは、生命活動の維持に不可欠なエネルギーである「気」が不足している状態。血液や栄養分、水分が全身に行き届かず体力が落ちてしまい、疲れやすい、足や腰がだるくて痛い、めまいや立ちくらみがある、風邪をひきやすくなるといった症状が表れます。

「胃腸が弱く、消化吸収がうまくいかないと「気」の補充ができません。消化が悪いものや冷たい食べ物は避けましょう。そのほか、早食いや夜遅くの食事、食べ過ぎなども胃に負担をかけて働きを弱めるのでNG。体を温める食材を使った、消化のよい温かい料理をよく噛んでゆっくり食べましょう」

それでは、疲れを改善するレシピを『体質&症状別40代からの不調に悩む女性のための食べ合わせの本』からご紹介します。さっそくチェック!

山芋と卵のふわふわスープ撮影/中川真理子

~山芋と卵のふわふわスープ~

【材料】(2名分)
●山芋…150g
●卵…1個
●(A)水…3カップ
●(A)鶏がらスープの素…小さじ1/2
●(A)酒…大さじ1
●(A)塩…少々
●ショウガ(すりおろし)…小さじ1/2
●小ねぎ(小口切り)…小さじ2

【作り方】

  1. 山芋はすりおろす。ボウルで卵を溶きほぐし、山芋を加えて混ぜ合わせる。
  2. 鍋に(A)を入れて火にかけ、沸騰したらショウガを加えて軽く混ぜ、1を回し入れてからよく混ぜる。
  3. ひと煮立ちしたら火を止めて器に盛り、小ねぎを散らして出来上がり。

POINT

「精がつくとして知られる山芋には、さまざまな調理に手軽に使える長芋や粘り強いやまといも、高い薬効を持つ自然薯(じねんじょ)などがあります。とろろなど生の状態で食べると消化吸収機能を高め、加熱調理をすると滋養強壮効果がアップします。疲れやだるさ、食欲不振にオススメです」

~鶏肉と長いものおかゆ~

【材料】(2名分)
●鶏胸ひき肉…100g
●酒・塩…各少々
●(A)長芋(7ミリ角に切る)…80g
●(A)ごはん…100g
●(A)水…3カップ
●酒…大さじ1
●塩…小さじ1/3
●三つ葉の葉…適宜

【作り方】

  1. 鶏胸ひき肉に酒と塩を加えて、菜箸で切るように混ぜる。
  2. 鍋に(A)を入れて火にかける。沸騰したら、1のひき肉にお玉1杯分の煮汁を注いでかき混ぜる。このひき肉と酒を鍋に加え、バラバラになるよう菜箸でよく混ぜる。
  3. 再沸騰したら中火弱にして20分ほど炊く。塩と刻んだ三つ葉を加えてひと混ぜしたら完成。

POINT

「鶏肉は日常的によく食べる肉のなかではおだやかな性質で、消化吸収の良さが特徴。体を温めたり気や血を補ったりするので、疲労回復や体力アップに◎。スープや煮物にすると消化吸収がさらに速くなりますよ」

取材協力:料理研究家 植木もも子さん

1953年東京生まれ。岸朝子氏に師事し、料理記者として活動後、フードスタイリストとして雑誌の連載、CMなどを手掛ける。現在、管理栄養士、国際中医師、国際中医薬膳管理師の資格を持ち、講演や料理教室、テレビ番組の出演などで活躍中。著書に『からだを整える薬膳スープ 気になる不調を改善するおいしい薬膳レシピ』(マイナビ刊)『簡単! おいしい! ビューティーアップ薬膳レシピ』(NHK出版刊)など多数。

公式サイト

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