和食の基本とも言える“だし”。最近では、顆粒やパック式のものも多く、料理に取り入れやすいですよね。そんなだしで野菜や果物、お魚、お肉、乾物といった食材を漬け込んだ、新感覚のおかずの素「だしマリネ」が、家庭の食卓にもお弁当にも手軽に使えて便利なのをご存じでしょうか?
今回は、「だしマリネ」のメリットやレシピを、『だしマリネでかんたん常備菜』の著者で、フードエディターの八代恵美子さんにお聞きしました。
気軽に食事に取り入れられるという「だしマリネ」。食材をだしに漬け込むと、どのようなメリットがあるのでしょうか?
「だしで食材をマリネすることによって、素材そのものが持つうまみをアップさせることができるんです。なので、ほかの調味料の量をぐっと抑えても、コクや味の深みがあるおかずの素になります。また、余分な調味料を使わずに済む分、ヘルシーな料理に仕上がるので、塩分や糖分を気にする方にもオススメです」
さらに、野菜をたっぷり摂取できるという利点もあるそう。
「だしをプラスすると、野菜が持つ臭みや苦みなどがうまみに変わって、まろやかな味わいに仕上がります。ドレッシングを必要以上にかけなくてもよい、シンプルで飽きのこない味なので、いつも以上に野菜をたっぷりと食べられますよ」
ヘルシーでおいしい「だしマリネ」は、遅い時間の食事にもぴったりですね! 野菜不足のときに使えるアイテムになりそうです。
さまざまな食材を使えるという「だしマリネ」ですが、相性の悪い食材はあるのでしょうか?
「これまでいろいろな食材とだしを掛け合わせてきましたが、合わないものはありませんでした。どんな食材とも相性がよいだしは、まさに万能調味料です」
一口にだしと言っても、さまざまな種類があります。「だしマリネ」にはどんなものを使うべきなのでしょうか?
「煮出してもまぶしても使えるパック式の本格だしがオススメです。私が愛用しているのは、久原本家の『茅乃舎だし』、調味料不使用の森田鰹節の『プレミアムだし名人』。塩分不使用のシンプルなだしパックは、自分好みの味付けができるので、食材や作る料理に合わせてその都度使い分けています」
それでは、八代さんに「だしマリネ」の作り方と、活用レシピを教えてもらいました。
【材料】(2名分)
●ミニトマト…1パック
●だしパック…1袋
●水…400cc
●ショウガ(千切り)…1/4かけ
【作り方】
トマトの湯むきをする際は、余分な水分でだしが薄くなってしまうので、必ずキッチンペーパーで水気を取りましょう。
【材料】(2名分)
●トマトのだしマリネ…4個
●トマトのだしマリネのショウガ…適量
●トマトのだしマリネのだし汁…300cc
●味噌…大さじ1/2
●すりゴマ…お好みで
【作り方】
POINT
すりゴマは、たっぷりと入れるのがオススメ。最後に柚子胡椒を少し加えると、さらにおいしくなりますよ。
女性誌や実用書などで長年編集者として活動。2004年、生活情報誌『Mart』の創刊に編集スタッフとして携わり、主婦目線を加えたライフスタイルを提案し、数々の特集をヒットさせる。一方で、料理のムック本で料理やテーブルのコーディネートを行い、フードコーディネーターとして活躍。食品メーカーやカフェなどのコンサルタントも手がける。9/19に著書の『極旨!ごちそう「だし」ごはん』(主婦と生活社)が発売予定。