夏に溜まった疲れによる気怠さ、移動時や室内のクーラー冷え、睡眠不足、そして冷たい飲み物の過多で弱った胃腸……秋に入ると、夏の疲れを吹き飛ばすべく、ハーブやスパイスを使ったアジアンメニューが食べたくなりますよね。
そこで今回は、ベトナム、タイ料理にとくに詳しいフードコーディネーター、谷口由佳さんオススメのレシピを効能別に教えてもらいました!
目次
一体なぜ、疲れが溜まったときにアジアンメニューを食べると元気になれるのでしょうか?
「暑さを健康に乗り切る、暑い国ならではの知恵が詰まっているのがアジアンメニューです。アジアの料理には強い香りや風味のあるものが多く、その独特の香り成分には食欲増進はもちろん消化促進などの成分があり、疲れ知らずの体を作るのにもってこいです。また、香りや辛みによる刺激が冷房で冷やされて落ちている代謝を上げる効果のほか、整腸作用や消化作用も期待できます。ほかにも、殺菌効果や消臭効果があるため、暑い時期でも安心して食べやすいことも、夏場に支持される理由のひとつですね」
では、疲れた体を癒すアジアンメニューを教えてもらいましょう!
1品目は疲労回復にうってつけのサラダメニューです。
「豚肉は、エネルギー補給に効果的なビタミンB群が非常に豊富です。ネギは、香り成分アリシンが疲労回復などに力を発揮します。そしてミントのメントールはスーっとする清涼感とともに、心身を落ちつかせる効果があるといわれているので、眠りにくい暑い夜の安眠にも一役買ってくれそうです」
材料(2名分)
豚ひき肉……150g
玉ネギ……1/4個
万能ネギ……3本
スペアミント(葉のみ)……5g
<ドレッシング>
レモン汁…大さじ1
ナンプラー……大さじ1と1/2
砂糖……大さじ1/2
唐辛子(みじん切り)……2本分
【作り方】
2品目は、残暑によってバテ気味で食欲が落ちたときに食べたいメニューです。
「パクチーの香りで食欲増進! ミョウガ、大葉、ショウガ、ニンニクといった薬味野菜が消化吸収を促します。さらにご飯を玄米にすることで、ビタミンと食物繊維も一緒に摂れます。ささみを茹でた湯は捨てず、塩、ナンプラーで味を調整すればスープになり、もう一品追加できます」
材料(2名分)
玄米(炊飯したもの)……300g
鶏ささみ……2本
ミョウガ……2本
インゲン……6本
大葉……6枚
パクチー(香菜)……6本
もやし……60g
<ショウガだれ>
ショウガ みじん切り……大さじ1
ニンニク みじん切り……小さじ1/2
レモン汁……大さじ1
ナンプラー……小さじ2
ハチミツ……小さじ2
【作り方】
最後は、デトックス効果も期待できるお漬物メニューです。
「食欲があまりないときや、調理するのが億劫なときに重宝する一品です。クミンは疲労回復に役立つビタミンB1や免疫力を高めてくれるビタミンC、ビタミンE、そしてカルシウムやマグネシウムなどミネラルも豊富。腸内に溜まったガスを出し、利尿作用もあるといわれ、デトックス効果も期待できる食材です。季節問わず、いろいろな野菜を漬けてみてください。冷蔵庫で1週間の保存が可能です」
材料(作りやすい分量)
オクラ……1パック
ゴーヤ……1本
プチトマト……1パック
キュウリ……1本
にんじん……1本
大根……1/2本
<ピクルス液>
穀物酢……180ml
水……90ml
砂糖……70g
ナンプラー……大さじ3
クミン(パウダー)……小さじ1/2
【作り方】
これからはじまる秋に向けて、そろそろパワーチャージが必要です! 今日の食事をアジアンメニューにして、元気を取り戻しましょう。
エステティシャンからフードコーディネーターに転身。テレビ番組「チューボーですよ」、「美味しんぼ」、料理教室などで活躍する料理研究家のアシスタントを経て、各国の飲食店勤務の後、2015年独立。西麻布のベトナム料理「kitchen」、地元・我孫子「ハコカラ」にて料理教室も定期開催中。『渡辺美奈代の美ゅ~てぃふる弁当』、『小学一年生 別冊 鍋特集』(ともに小学館)など、誌面でも活躍。