ナンプラーやワインビネガー、バスサミコ酢、豆板醤など、買ってはみたものの最後まで使い切れない調味料、皆さんもお持ちではないでしょうか? 冷蔵庫やキッチンで眠ったまま、気付いたら賞味期限が切れていた…なんてこともありますよね。
今回、使い切れない調味料の代表格であるナンプラーとバルサミコ酢を使ったレシピを料理研究家の伊藤朗子さんに伝授していただきました。伊藤さんによると「ちょっとした工夫によって、使い切れる調味料に変身する」そうです!
そもそも、ナンプラーとバルサミコ酢とは、どのような特徴のある調味料なのでしょうか?
「ナンプラーはタイの魚醤(ぎょしょう)のこと。魚介類を原料に造った醤油状の調味料で、日本の醤油のような存在です。タイ語でnamは液体、plaは魚を意味します。
バルサミコ酢は、果実酢の一種。長期にわたる樽熟成が特徴で、色は茶色を濃くした黒色。独特の芳香があります。オリーブオイルとともにサラダにかけるなど、イタリア料理の味付けや香り付け、隠し味に使われるほか、甘味があるためデザートの味付けにも使われます」
上手に使えば、使い切ることができそうなのですが…どんな料理に合うのでしょうか?
「ナンプラーやバルサミコ酢などの調味料は、食べ慣れた料理のマンネリ化を打破してくれる存在です。和食にも合うことが多いので、使ってみると味わいにひとひねり加わって楽しいですよ。焼き魚や漬物などに応用すると、おいしく食べられるのでぜひ使ってみてください」
それではさっそく、伊藤さんオススメのレシピ3選をご紹介します。
「ナンプラーはゆず、かぼすなど柑橘系との相性が良いので和風の味にも合います」と伊藤さん。まずはナンプラーを使った、すっきりした味わいの和風料理にチャレンジ!
「普段の白菜の浅漬けにナンプラーを加えるとうま味が増します。柚子の皮のせん切りなどを一緒に漬けると、季節感も出てよいですよ」
【材料】(作りやすい分量)
●白菜…3枚(300g)
●しょうが…1かけ
●ナンプラー…大さじ1と1/2
●レモン汁(または、柚子の絞り汁)…大さじ1/2
【作り方】
※小口切りにした赤唐辛子を入れてもおいしくいただけます。
「ナンプラーは魚醤なので、いりこだしのようなイメージで使えます」と伊藤さん。にゅうめんにナンプラーを加えることで、深い味わいが楽しめます。
【材料】(2名分)
●そうめん…2束(100g)
●油揚げ…1/2枚
●万能ねぎ(小口切り)…少々
●酒…大さじ1
●ナンプラー…大さじ1と2/3~2
【作り方】
※ナンプラーの塩分はメーカーによってまちまちなので、分量は加減して使ってください。
※お好みで一味唐辛子を加えても◎。そうめんの代わりに冷凍うどんを使ってもおいしいです。
続いて、バルサミコ酢を使った和風料理の紹介! 伊藤さんによると「バルサミコ酢は醤油と相性が抜群。煮詰めるとコクが出ておいしくいただける」そうです。
この料理は、ぶりの代わりに、豚肉(ソテー用)や鶏モモ肉を使ってもOKだそう。バルサミコ酢を加えることで、フルーティな甘さのある照り焼きに。
【材料】(2名分)
●ぶり…2切れ
●塩…少々
●オリーブ油…小さじ1
●ミニトマト、ベビーリーフ…適量
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●バルサミコ酢…大さじ2
●しょうゆ…大さじ1/2
●酒…大さじ1
●みりん…大さじ1
●砂糖…小さじ1/2
【作り方】
なかなか使い切れない調味料の代表格、ナンプラーとバルサミコ酢も、和食に合うと知ると使い勝手がぐんと上がりますよね。お肉やお魚に、お漬物に、麺類にと、幅広く使ってみましょう!
野菜ソムリエ、中国山東省認定二級厨師、「i's kitchen」主宰。料理本専門の編集プロダクションで料理ムック等の編集やフードスタイリングに携わる傍ら、中国山東省の伝統料理“魯菜”、魚を中心とした日本料理を学ぶ。2010年より「やさしい味の飽きない料理」を信条に、雑誌『レタスクラブ』『きょうの料理ビギナーズ』『栄養と料理』『3分クッキング』『dancyu』等へのレシピ提案などを多数手がける。「おうちの台所で手軽に作る中国料理」をテーマにした料理教室も主催。
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